急性腎障害(Acute kidney injury:AKI)

急激に腎機能が悪化することを急性腎障害といい、急性腎不全やAKIともよばれます。急性腎障害は手術をうける方や集中治療室に入室している方など全身状態が悪い人では6割でみられる状態です。

一方で、外来通院中の方でも急性腎障害になることがあります。

■急性腎障害とは

48時間以内に採血上のクレアチニン値が0.3mg/dl上昇したり、ベースのクレアチニン値が1週間で1.5倍にあがってしまうと急性腎障害といいます。

■急性腎障害になりやすいひと

術後や集中治療室に入室しているひとで急性腎機能障害を来すことはよくみられます。

入院しているひとだけでなく、外来通院しているなかでも急に腎機能が悪化することがあります。軽度の腎機能障害を患っているひとは造影剤の使用や腎機能に影響のある薬を内服することをきっかけに急性腎障害に至ることがあります。

■急性腎障害の原因

急激に腎機能が悪化する原因は大きく3つにわけられます。

・腎前性

腎臓をながれる血液量が減ると腎機能は低下します。発熱や下痢、嘔吐などの脱水や出血、心不全や肝不全といった病気に伴い腎臓機能を維持するための腎臓に供給される血液量が維持できないときことが原因となります。

・腎性

腎臓そのものにダメージがおき、腎臓の機能低下がおきる状態です。腎炎などがこれにあたり、薬を原因とする薬剤性急性腎不全も含まれます。腎臓で代謝される薬を使用することが薬剤性急性腎不全の原因ですが、抗生物質や利尿剤、H2ブロッカー、アロプリノール、カプトプリル、抗がん剤、造影剤、そのほか様々な薬があげられます。

・腎後性

尿路結石などなんらかの原因により尿路が閉塞されることにより尿が排泄されない状態です。泌尿器疾患も急激な腎機能悪化をきたす原因になります。

■急性腎不全の症状

腎機能自体ははっきりとした症状がでないまま低下することがよくあります。発熱や脱水、尿路結石など腎不全の原因となる病態での症状はあるかもしれませんが、薬剤性ではわかりにくいといえるでしょう。

重症の腎機能障害までいたってはじめて頭痛や吐き気などの尿毒症の症状や全身のむくみがでるのです。高カリウム血症をきたすと不整脈の発現、死に至ることもあります。

■急性腎不全の治療と予防

年齢を重ねるごとに徐々に腎機能低下をきたしていくものですが、なんらかのきっかけで急激に機能が低下してしまうことがあります。血圧など全身の状態を安定させること、十分な水分をとることが治療、予防につながります。特に造影剤は腎機能悪化をきたす薬として広くしられており、検査の前後に水、経口補水液などを使用することで急性腎障害を予防するといわれています。

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