2022/04/28
訪問診療は医師や看護師が自宅へ来てくれることで、診察やケアを受けることができるサービスです。
高齢化が進んでいる日本で在宅生活を送るためには必要不可欠です。
しかしメリットばかりに目を向けていると思わぬ落とし穴を見落としてしまいます。
今回は注意したい点とそれを解消する方法をご紹介します。
■訪問診療のメリット
往診のメリットといえば、何と言っても在宅での生活が維持できることです。
病院や施設に入所すれば、看護師や介護職などプロのケアを24時間受けることができ安心できるでしょう。
しかし住み慣れた場所での安心感はいくらケアのプロでもかないません。
住み慣れた場所で安心感を得ながら生活し、身体のことも見てくれるメリットは訪問診療ならではです。
また通院せずに医師が診察に来てくれるので、家族の負担も減ります。
身体が辛いのに待合で長い時間待つこともありません。
病院の往復でタクシー代を払うこともないので経済的な負担も減ることになります。
このように心身共に負担が減り、お金の面でも負担が減るいいこと尽くめのように思えますが、意外な落とし穴があるのです。
■押さえておきたい注意点
往診のメリットはたくさんありますが、注意しておきたいのは次のことです。
・高度な医療が受けられない
・他人が自宅へ出入りすることに抵抗がある
・すぐに診てもらえないこともある
少し詳しく見ていきましょう
■高度な医療・検査が受けられない
病院であれば採血やレントゲンなど、検査を受けてすぐに結果を聞くことができます。
しかし訪問診療では採血は取れても持ち帰って検査をするなどスピード感はありません。
もちろんレントゲンは放射線を使用するため、病院に行く必要があります。
すぐに不安を解消できないことがあるので注意が必要です。
■他人が自宅へ出入りすることに抵抗がある
いくら顔見知りの医師や看護師でも、自宅に出入りするというのは家族に取っては精神的に負担になりえます。
すぐに許容できるかたもいると思いますが、「いつも奇麗にしていないといけない」「時間に拘束される」など気を遣う方にとっては慣れるまで負担になるでしょう。
■すぐに診てもらえないこともある
訪問診療を専門にしている医師であれば時間の融通をきかせてくれることもあります。
しかし病院やクリニックなど外来診療も行っている医師の場合、外来患者が終わってからでないと来れないという場合もあります。
すぐに診てほしいときに診てもらえないのは不安が大きくなっていくことがあります。
■注意点を解消するためには!
注意点を3つあげましたが、どれも在宅での療養生活にとっては大きな不安材料です。
ここを見逃してしまうと、いざというときに困りますよね。
きちんと把握しておき、解消する方法を考えておきましょう。
■高度な医療・検査が受けられない
確定診断をするためには採血やレントゲンなどの検査が必要になります。
そのためには病院へ行かなければなりません。
あらかじめ、訪問診療の医師や看護師、ケアマネージャーと病院受診時の方法を考えておきましょう。
家族の負担が大きい場合などはヘルパーによる病院同行支援や送り出しのサービスもあります。
検査を受ける病院などもあらかじめ決めておくと、スムーズに受診ができますので医師や看護師に希望する病院を伝えておきましょう。
■他人が自宅へ出入りすることに抵抗がある
医師や看護師は患者さんがいる部屋にしか出入りはしません。
いろんな自宅へ出入りするため、とても奇麗なところもあれば生活環境があまりよくない場所にもいきます。
ですので診療に必要な範囲だけ整理整頓しておけば、そこまで気にする人はいないのが現実です。
家族は気をつかってくださいますが、実際にはそこまで気になりませんので安心してください。
もしどうしても気になるのであれば、戸を閉めておいたり布をかけて目隠しするなどでも大丈夫でしょう。
■すぐに診てもらえないこともある
訪問診療を専門にしていない医師の場合、外来を見ていることもあります。
外来の診察時間をあらかじめ聞いておきましょう。
もし外来の診察時間にどうしても診てほしい場合はどうしたらよいのか、医師や看護師に相談して取り決めをしておけば安心です。
どうしても医師も看護師も来れない場合もケアマネージャーと相談しておきましょう。
すぐにヘルパーさんが動いてくれるのか、介護タクシーなどの手配をどうするかなど決めておくと、その通りに動けば大丈夫です。
注意点がいくつかありますが、どれもあらかじめ相談して取り決めをしておけば不安も最小限に抑えることができます。