2022/06/09
自宅での看取り希望者は多いものの、最終的には施設や病院で看取る方が多いのが現状です。
最終的に看取るのは家族ですので、家族に決定権がある場合も多いと思います。
今回は家族が自宅で看取ると決めたときに考えておくことを解説していきます。
在宅で看取るとは?
在宅で看取るということは、住み慣れた場所で聞きなれた声や音、匂いなどを感じながらリラックスした心境で過ごせるというメリットもあります。
しかし介護職や看護職が常にいるわけではなく、日常のお世話をするのは家族になります。
家族に介護を行う覚悟や自覚がなければ自宅で看取るということは難しいです。
施設や病院と在宅で看取る違いについて
まず施設や病院では介護や看護のプロが在中しています。
病院であれば医師も当直でいるので、医療行為や介護に関して困ることはまずありません。
自宅の場合は訪問介護や訪問看護、訪問診療などを活用できるものの、訪問までには時間がかかってしまい、家族への負担が大きくなります。
経済面でみれば自宅で看取るほうが負担は少なくなるでしょう。
家族が身体的な負担や精神的な負担を背負うデメリットはありますが、大切なのは看取られる本人がどう思うかです。
本人の意思を家族や親族を含めて考え、そのうえで家族への負担が少ない方法を選ぶ必要があります。
親を看取ると決めたら考えておくこと
では自宅で看取ると決めたら考えておきたいことを見ていきましょう。
自宅で最後まで見ると決めたら、
・どこまで医療を行うのか
・自宅で死亡診断をしてくれる医師がいるか
・介護保険や医療保険でどこまでサポートを受けられるか
を考えておきましょう。
・どこまで医療を行うか
医療処置はどこまで行うのかを考えておきましょう。
医療の知識がない方は少し難しいと思うので、ケアマネージャーなどと相談しながら考えてみることをおすすめします。
在宅でも経管栄養や持続点滴、人工呼吸器装着、酸素吸入などさまざまなことができます。
一つの基準が「口から食べられなくなったら」です。
食事がとれなくなったときに点滴をするのか、胃ろう作るのかなど選択肢が出てきます。
身体の負担を考えながら選択していきましょう。
・自宅で死亡診断をしてくれる医師がいるか
訪問診療をしてもらえる医師がおらず、自宅で死亡した場合には検死になる場合もあります。
警察が介入することになるので、せっかく最期の時が安らかに過ごせても事件性を疑われると嫌な気持ちになってしまいます。
必ずなくなった時に死亡診断をしてくれる訪問診療の医師を主治医にしておきましょう。
・介護保険や医療保険でどこまでサポートを受けられるか
看取りに近い状態であれば要介護認定が出る状態であることが多いです。
介護保険では訪問看護や訪問介護をケアマネージャーのケアプランに沿って使うことが可能です。
介護保険の限度額内でどこまで訪問介護や看護を利用でき、家族がどのぐらい介護をしなければならないのかをケアマネージャーと考えておきましょう。
仕事を辞めずに本人との時間を大切にできるケアプランを立ててもらえると、安心して最後まで一緒に過ごすことができます。
看取りの時期になるとゴールが見えている状態です。
本人にとって何がいいのかも大切ですが、看取る家族が辛いと本人も嬉しくはありません。
お互いが安らかに、気持ちの整理をしながらゴールテープを切ることができるように準備をしていきましょう。