2022/06/24
自宅で療養生活を送る人が増えてきている中、社会資源も増えてきました。
国が介護保険で利用できるサービスとして位置づけている「訪問看護」と「「訪問介護」ですが、名前が似ていて何が違うのか迷いますよね。
今回は訪問看護と訪問介護の違いについて解説していきます。
■訪問看護って?
訪問看護は看護師や保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が医師の指示を受けて自宅へ訪問し、看護やリハビリを提供します。
主には体調確認や薬の管理など病状に応じて必要な援助を行います。
「看護」なので日常生活のお世話である、排泄介助や入浴介助なども行います。
■訪問介護って?
訪問介護員(従来のヘルパー)や介護福祉士が自宅へ訪問し、介護を行います。
「介護」なので日常生活のお世話である、排泄介助、入浴介助、食事介助などを行いますし、買い物や掃除、洗濯、調理など生活の援助も行います。
■仕事の違い
「看護」の仕事も「介護」の仕事も同じような内容があります。
日常生活のお世話は「看護」でも「介護」でも行うことができますので、何が違うのかわかりにくいですよね。訪問看護の役割は主に「療養上の世話」となります。
医師の指示が必要な理由としては、何かしら身体に医学的な助けが必要な場合に利用することになります。
訪問介護は「自立した日常生活を助ける」という役割になります。
いかに自分の力で生活を送っていけるようになるかが目的になります。
医学が介入するかどうかで利用するサービスが変わってくることがわかります。
■料金の違い
次に料金の違いについて見ていきましょう。
両方とも介護保険での利用が可能です。
介護保険法という法律で全国一律の単位設定となっています。
一割負担の場合、訪問看護は30分で約470円、訪問介護は30分の身体介護で約250円となっています。
看護と介護では倍程度の料金が変わってきます。
30分でオムツ交換に入っても料金がいっしょになるわけではありません。
これは訪問看護のほうが、医学的な管理が必要なため責任も大きいためです。
■どっちを使うべき?
では結局、どちらを使うべきなのかというと、ケースバイケースです。
そもそも訪問看護は主治医が必要と判断しない限り利用できません。
倍の料金を支払ってでも、看護師が訪問して援助をする必要があると医師が判断した場合には訪問看護を利用することになります。
サービスを調整するケアマネージャーは、なるべく利用者に経済的な負担がないようにサービスを組みます。
訪問介護で対応できる場合には訪問介護を、必要なか所にだけ訪問看護を利用するように計画を作成します。
どうしても訪問看護を利用したい場合にはケアマネージャーと話し合って、サービスの必要性を確認したうえで利用することをおすすめします。
看護と介護の役割は似ている部分もありますが、それぞれの専門性が違います。
どちらかが優れているというわけではありませんので、自分に必要な部分で必要な専門職を利用して生活していきましょう。