2022/07/22
最近では自宅に訪問する「在宅サービス」が注目されてきている介護業界です。
しかし医療業界でも、在院日数の短縮や人工呼吸器装着患者、末期がんの方の麻薬管理など在宅医療が注目されてきています。
今回は在宅医療を支える訪問診療と往診の違いについて解説していきます。
■往診って?
往診とは、突発的な体調の変化に家族から連絡を受けて医師が訪問することを言います。
大きい病院やクリニックの医院などの医師が、受診できない場合に患者さんやその家族と話し合い、自宅に訪れて診察をします。
医師の予定や外来の診療時間には対応できなかったり、病院の方針として往診はしないなどと規定されている場合があるのでしっかり確認しておきましょう。
■訪問診療
往診の突発的な対応とは違い、計画的に決められた日時に訪問して医師が診察することを訪問診療と言います。
定期的な受診に来ることが困難な方に対し、体調の確認や処置、薬の処方などをして経過を観察していきます。
近年では訪問診療医や訪問診療を主にした在宅療養支援病院などもあります。
■広い意味で往診が使われている
現在は訪問診療なのに往診と言われている印象があります。
高齢者施設などで定期的に医師が来訪し、利用者さんの状態をみて定期薬を処方することがあります。
このような場合でも「今日は往診の日だ」と日常的に使われています。
正しくは「訪問診療」なのですが、広い意味で往診は訪問診療と同義語として使われています。
■自宅で看取るなら絶対に必要な往診
自宅で最期まで看取ると決めた場合、最終的には死亡診断を自宅で行ってもらう必要があります。
心肺停止し延命の希望がないのであれば、救急車で搬送してもらうことは難しく、検死という状態になりかねません。
そうなると警察沙汰になり、穏やかな見送りができなくなってしまいます。
そのためにも、心肺停止になったときに自宅まできて死亡診断書を作成してくれる医師を見つけておかなくてはなりません。
受診しているときから
「最期は自宅で迎えたい」
「先生は最期を迎えたときに自宅まで来てもらうことは可能ですか?」
と確認しておくことが大切です。
もしも往診が難しいようであれば、定期的に診察をしにきてくれる訪問診療へ切り替えておくとよいでしょう。
■往診と訪問診療を正しく使い分けましょう
訪問診療は定期的な在宅診療、往診は突発的な出来事に対する在宅診療という認識は持っておいたほうが良いでしょう。
「往診をお願いします」と頼んでしまうと定期的に来てほしいのに、突発的なときにしか対応してもらえない可能性もあります。