2022/09/20
現在日本では入院治療から自宅での在宅医療が進められてきています。
在宅医療では訪問看護や訪問リハビリテーションなどの専門職の数が多くいますが、治療の方向性を示すのは医師であり、訪問診療の役割でもあります。
今回は訪問診療について見ていきましょう。
■訪問診療って?
訪問診療は、月に2回を限度に計画的に自宅を訪ねて診察するサービスです。
通常であれば外来受診をして診察を受けるのですが、医師が自宅まで来て病状を診察してもらえるため、心強いですよね。
「〇日と〇日に伺いますね」と計画的に診察をしに来てもらえるため、通院忘れや治療がストップすることも稀です。
よく往診と混同されますが、往診は緊急時に自宅へ医師が訪問して医療を提供することをさします。
同じような意味合いでも受け取り手からすると誤解する可能性があるので注意しましょう。
■訪問診療はどんな人が使えるの?
訪問診療は自宅に医師が来てくれると説明しました。
患者さん全員のところへ医師が来てくれれば楽でいいのですが、医師も時間が限られてしまいます。
そのため基本的には自宅療養をしている方で、通院が難しい方が対象となります。
たとえばがんの末期で身体を動かすのは負担が大きな場合や人工呼吸器を装着している方、自身では外出ができない歩行困難な状態の方などが対象となります。
ご家族が付き添えば通院できる方、自身で受診できる方は対象外となります。
また高齢者施設(有料老人ホームなど)に訪問診療を行っている医師もいます。
医療的な管理が必要な方であれば、一度施設へ訪問診療を行っている医師に確認してみるのも1つの手です。
■どうやって頼めばいい?
訪問診療を依頼したい場合はどのようにすればよいのでしょうか。
まずかかりつけ医に相談することから始めましょう。
受診が難しい状態の理由や訪問診療を依頼したい経緯などをしっかりと説明します。
医師が対象であると判断すれば、料金の説明や訪問診療の内容、訪問時間の調整を行ってもらえるでしょう。
中には訪問診療を行っていない医師も数多くいます。
もしも訪問診療の対象だが、訪問診療が行えない場合には地域の訪問診療を行っている医師へ紹介してもらうこともできるため、一度相談してみましょう。
■訪問診療は強い味方!
現在、自宅での看取りを希望される方も多くいらっしゃいます。
自宅での看取りを行う場合には、訪問診療は必ずと言っていいほど必要となってきます。
自宅での看取りは家族のサポートも絶対的に必要ですが、患者さんの自宅で過ごしたいという希望を叶えるため、入院前などに一度相談することをおすすめします。