2023/02/06
現在の日本の家庭環境は核家族化が進み、昔のように三世代で住むことが少なくなりました。
夫婦と子ども(または夫婦のみ)の世帯が増えているということは、両親は夫婦のみの世帯になりがちです。
両親も高齢になり、老化現象が少しずつみえてきたときには、もしもの時の対策が必要となってきます。
今回は独居暮らしの方の対策を紹介していきます。
■独居の方の割合
そもそも独居の方がどのぐらいいらっしゃるのでしょうか。
日本の65歳以上の独居高齢者と呼ばれる方の割合は、2015年の段階で男性で約192万人、女性で約400万人となります。
今後、超高齢化社会を迎えてくると人数増加はさらに加速します。
内閣府が発表しているデータの予測数値だと、2040年には男性が約360万人、女性が540万人と出ています。
もしも自分の両親が独居になったときに正しく対処できるようにこれから準備しておきましょう。
■遠くの親戚よりも近くの友人!
独居になってしまい、不安だからとすぐにマイホームを手放して近くに引っ越しをする方は極稀でしょう。
よくあるのが独居になった親を引き取り連れてくるという場合がありますが、中には住み慣れた場所が良いと断る方もいらっしゃいます。
このようなときにどうするべきなのでしょうか。
心配な場合には、近隣の仲の良い方を把握しておくことをおすすめします。
様子が変な時や連絡が取れなくなった場合にすぐお願いできる関係性を築いておくとよいでしょう。
後ほど出てくる災害が起きたときでも、心強い味方になってもらえます。
近隣の方との関りがないような方は地域の民生委員へ相談しましょう。
定期的な訪問や介護が必要になった場合の対応など、さまざまな点で支援してもらうことができます。
少しでも介護が必要だと感じたら、ホームヘルパーを活用することもおすすめです。
■すぐにできる対策は冷蔵庫!
近隣の方との関係性を作ることはすぐには難しいです。
民生委員やホームヘルパーなども四六時中、対応できるわけではありません。
緊急時にすぐ対応が必要な場合に活用できるのが、「救急医療情報キット」です。
救急医療情報キットを導入している自治体では、無料で配布されているので必要事項を記入して、冷蔵庫の中に入れておき、ステッカーを貼ります。
救急隊が対応するとき、冷蔵庫を確認するようになっていますので、これを確認すると必要な情報がわかるようになっています。
とてもシンプルな方法ですが、とても有効ですので確認しておきましょう。
もしも自治体で導入しておらず、救急隊が勝手に確認できない場合もあります。
冷蔵庫にステッカーを貼っておけば大丈夫です。
もしも急変する可能性がある場合には、主治医へ訪問看護の導入も検討してもらえるように働きかけてみましょう。
■避難場所への距離や移動時間を確認しておきましょう!
最後に災害時の対応です。
災害時には1人で非難することになります。
避難場所を確認して、どのくらいの時間で移動できるのかなど確認しておきましょう。
安全に移動できる経路や避難情報の確認の仕方、避難する基準を決めておくことも大切です。
在宅酸素を導入している方や経管栄養が必要な方、インシュリン注射を行っている方なども訪問診療医にもしもの時はどのようにしたら良いかを必ず確認しておきましょう。
訪問看護でも一緒に災害時の対策などを話し合ったり、避難道具を一緒につくるお手伝いも可能です。