2023/04/17
高齢になってくると、筋力の低下や認知機能の低下などさまざまな要因で食事の動作にトラブルが生じてきます。
本人も飲み込みにくかったり口の中に食べ物が残ったままになったりと、食事が次第に苦痛になってきます。
そんなときにトラブルを解消する方法を紹介します。
■食事の大切さ
そもそも、食事はとても大切だと知ってはいるけど、なぜ大切なのでしょうか。
食事は生命を維持するためには必要不可欠なものの1つです。
車などと一緒で、ガソリンなどのエネルギー源がないと体も動きません。
立ったり歩いたりするだけではなく、肺や腸や脳なども機能しなくなってしまいます。
また食事の動作も脳と密接に関係していることがわかっています。
匂いや視覚的な刺激、噛む動作などは脳に刺激を与えて認知症予防にもつながります。
もちろん、しっかりとバランスの取れた食事をしている人は健康的な体で活動ができます。
■食事は噛んで飲み込む動作を確認!
大切な食事が苦痛になってくるのが、口の中のトラブルで噛むことができなくなることや喉の機能が低下して飲み込むことができなくなるときです。
噛めないことにより、食べ物を柔らかくできす飲み込みが難しくなったり、飲み込んでも消化不良を起こしたりします。
飲み込む力がなかったり、上手く食道を通らず気道へ入ったりすると窒息や肺炎の危険性もあります。
しっかり噛めているか、飲み込むときにむせないか、喉のつかえ感がないかを確認しましょう。
■食事形態の紹介
噛めなかったり飲み込みが難しい場合には下記で紹介する形態に変更してみる手段もあります。
あくまでも1つの手段です。
きちんと主治医や看護師、介護職員、ケアマネジャーなどと相談して試していきましょう。
・一口刻み
食事をそのまま出すのではなく、一口大に切って提供します。
これだけでも口の中がいっぱいにならず、窒息や嚙む動作の疲労感軽減につながります。
食事の原型もとどめているため、視覚的にも抵抗感は少ないでしょう。
・きざみ
歯でしっかり噛むことが難しい方にはきざんだ形態で提供します。
すでに刻んでいるため、口の中で唾液と一緒になることで柔らかくなり飲み込みやすくなります。
少し原型が残る程度ですが、触感は失われにくいです。
・ソフト
食事を少し加工して、歯茎で噛みつぶせる程度にして提供します。
噛む力がなくても舌や歯茎でつぶせるため飲み込みやすい形態になっています。
しかし食事の原型をとどめていないため、抵抗がある方も多いです。
・ミキサー
水分ととろみを加えて、半固形状態で提供します。
のどにつかえやすい方や飲み込む力が低下している人は肺炎予防にもなります。
ミキサーにしてもむせたり、なかなか口にたまってしまう場合には一度、医師に相談しましょう。
食事でも形態を変えることで、口からの栄養摂取が可能となってきます。
食事をする楽しみをそのままに在宅での生活が送れるようにしましょう。