2023/07/24
近年、メディアでも取り上げられている「経口補水液」は「飲む点滴」とも言われています。
しかし従来からスポーツドリンクのように脱水に有効だと言われてきたものがありますが、何が違うのでしょう。
スポーツドリンクと経口補水液の違いを知って、効果的に利用できるように、違いを見ていきましょう。
■経口補水液は脱水症状があるときに有効
まず始めに経口補水液は軽度から中等度の脱水に有効とされています。
スポーツドリンクでも水分補給や体のミネラル補給には適していますが、あくまでも日常生活におけるものです。
そのため、スポーツドリンクは脱水状態にある人が飲んでも効果がないわけではないですが、吸収が遅く糖分なども多いため効率が悪くなってしまいます。
■経口補水液は吸収を一番に考えた飲み物
経口補水液は「飲む点滴」と言われるほど、吸収が素早い作りになっています。
スポーツドリンクは糖分が多く、ナトリウムやクロール、カリウムといった電解質の量も比較的少なくなっています。
飲みやすさで言えば、スポーツドリンクのほうが美味しく飲めるでしょう。
しかし、吸収されなければ意味がなく、脱水の改善には向きません。
経口補水液はWHO-ORSやESPGHAN、米国小児科学会「経口補水療法指数」が出している推奨される組織成分にあわせて作ってあります。
そのため人の組織形成に必要な量と合っているため、浸透圧により吸収しやすくなっているのです。
■子どもや持病がある方でも飲むことができる
(※病気によっては危険が伴うこともあるので主治医に必ず相談してください)
子どもはもともと皮膚の中にある水分量は多いものの、体温調整が上手にできなかったり言葉で表せなかったりするため、脱水状態になりやすいです。
また高血圧や糖尿病などの食事制限がある人でも飲むことができます(心臓病や腎臓病がある人は主治医に相談してください)。
高齢者や子どもは脱水状態になるリスクが成人よりも多く、症状にも気付きにくい状態です。
経口補水液のラベルに年齢別の適正摂取量が記載してありますので、適切な量を確認して摂取しましょう。
しかし普段からしっかり水分摂取できており、脱水状態にない方が飲んだ場合、浸透圧の関係で吸収されずに排出されてしまいます。
さらに電解質が多く含まれているため、高血圧や腎臓病をお持ちの方が常用するのはとても危険です。
必ず体の状態を確認してから摂取するようにしましょう。持病のある方は、事前に主治医の先生に相談してください。
■経口補水液はこんな時に飲用する
経口補水液は下記のような状態の時に使用しましょう。
- 下痢や嘔吐、発熱が原因で脱水が考えられるとき
- 高齢者で経口摂取が難しく脱水状態になっていると考えられるとき
- 屋外作業や強度の運動で、発汗が過度のとき
- 熱中症が疑われるとき
経口補水液はスーパーやドラッグストア、薬局などで購入することができます。
ゼリータイプで味もさまざまありますので、本人にあったものを選びましょう。
厳しい暑さが続いています。経口補水液をはじめ、熱中症対策グッズもたくさんあります。上手に活用し夏を乗り越えましょう!