2023/08/15
自宅で生活するCOPDなどの慢性呼吸不全の人にはなくてはならないものが在宅酸素療法です。
では在宅酸素療法で欠かせない、マスクとカニューラの違いってご存知でしょうか?
今回は酸素マスクと経鼻カニューラの違いについて見ていきましょう。
■在宅酸素療法って?
在宅酸素療法は自宅で生活する人に、医師の指示のもと酸素濃縮器を利用して酸素療法を行うことです。
病院では中央配管といって、壁の配管から酸素が送られていますが、自宅で同じ装置を作ることはほぼ無理でしょう。
そのため酸素濃縮器を貸与し、在宅酸素療法を実施します。
外出時に酸素ボンベを使用することもありますが、濃縮器でもボンベでも、経鼻カニューラか酸素マスクを利用して酸素吸入を行います。
■在宅酸素療法の注意点
在宅酸素療法の注意点としては、酸素は引火性があるため火気厳禁です。
また酸素を吸入するために経鼻カニューラか酸素マスクを利用します。
常に機械とつながっているため、転倒には注意しましょう。
また医師や看護師から経鼻カニューラを使用するか酸素マスクを利用するか指導を受けることもあるでしょう。
下記に違いをまとめていますので、参考にしてみてください。
■経鼻カニューラは酸素5L/分未満のとき
経鼻カニューラは鼻から酸素を取り入れるように管をつけます。
5L/分未満の酸素であれば経鼻カニューラを使用して酸素を吸入していきます。
常に鼻の中へ風が当たっているため乾燥しがちですが、口は塞がれず食事や会話もそのままできるため、日常生活の不便さは少ないです。
だからといってタバコは厳禁です。
経鼻カニューラに引火してしまうため絶対に辞めましょう。
また口呼吸の場合には鼻から入らないため、効果が薄れてしまいます。
口を閉じて鼻呼吸を意識しましょう。
■酸素マスクは酸素5L/分以上のとき
5L/分以上の酸素を吸入するときには、酸素マスクを使用します。
酸素マスクにもさまざまな種類があります。
中には3L/分以上でも使用するものがありますが、基本的には5L/分以上と思っておきましょう。
酸素マスクは鼻と口全体を覆うため、口呼吸の人でも十分に酸素を吸入することができます。
■なんで低流量でマスクはNG?
5L/分以下でマスクを使用してしまうと、自分の吐いた息を再度吸ってしまい、二酸化炭素を多く吸い込んでしまいます。
そのため酸素がしっかりと肺まで入らず、酸素療法の効果が期待できなくなってしまいます。
効果が半減するだけならまだしも、CO2ナルコーシスなど危険な状態になる可能性があるため、医師や看護師の指示にしたがって着用しましょう。
在宅酸素療法は自宅で生活するために欠かせないものであり、生活の質を向上させてくれるものです。
しかし扱い方を間違えると命の危険にさらされることになるため、しっかりと医師や看護師、電子機器メーカーの方の説明を聞き、正しく使用しましょう。