2023/10/20
日本では2000年より制度化されている「介護保険法」ですが、7〜9割は税金を基に運営されています。
そのため、できることとできないことがあり日常生活で不便を感じている要介護者やその家族が多くいます。
今回は介護保険法の穴を埋める自費サービスについてみていきましょう。
■介護保険では賄いきれないところが多々ある
冒頭でも少し触れましたが、介護保険は国民から徴収した税金によって賄われています。
人口が減少しており徴収できるお金が少ない現状では、何でも許していると財源が底をついてしまいます。
例えば、訪問介護サービス(ホームヘルパー)を利用できたとしても、同居家族がいると生活支援が受けられなかったり、窓ガラスの清掃や庭の草むしりはできません。
あくまでも本人の生活や命に関わることが原則なのです。
■実際に困っている人は自費サービス
介護保険を利用して様々なサービスを低料金で利用できるのは日本の制度の強みです。
しかし本当に家族の負担や本人のQOL(生活の質)をあげようと思えば、旅行やペットの世話、屋外環境の整備などが必要になってきます。
そのような思いに応えるため、すべての事業所ではありませんが「自費サービス」を導入している事業所もあります。
自費サービスは保険を利用しないため、利用者と事業所の契約になるため、自由にサービスを行うことが可能です。
事業所が大丈夫であれば、旅行もペットの世話も屋外の環境整備などを行うことができます。
■自費サービスのメリット
自費サービスのメリットは自由度が高いところです。
自身がして欲しいことを要望すれば、事業所との契約違反にならない程度で何でもできます。
介護が必要な方であれば、ホームヘルパーの自費サービスを利用して、旅行先で移動介助や食事介助、更衣介助などが行なってもらえます。
訪問看護師の自費サービスであれば、医療的な支援が必要な人が結婚式に参列したり家族の用事があるときに代わりに見守ることも可能です。
選択肢が増えて本人や家族のQOLが向上することは間違いないでしょう。
■自費サービスのデメリット
自費サービスはメリットばかりではなく、経済的な問題や法的な問題がデメリットとしてあります。
まず事業所も慈善事業ではないため、人件費などもかかります。
そのため費用が介護保険サービスに比べて7〜9割以上高くなる可能性があります。
また第2種自動車運転免許を所有していない職員や事業所がタクシーの代わりをしたり、ヘルパーが医療的な処置をしたりと法に反することはできません。
料金の規定や請け負える範囲は事業所によって差があるため、必ず契約前に確認しましょう。
自費サービスはQOLを向上させることができる柔軟性に富んだサービスです。しかし法的な問題や経済的な負担を考慮して、しっかりと事業所と話し合いをして契約をするようにしましょう。