2024/05/28
治療は病院でするものだと思われている方が多くいらっしゃいますが、実は病院以外の場所でも点滴は可能です。
高齢者施設や自宅などの「在宅」と呼ばれる場所での点滴はどのようにすれば受けられるのでしょうか。
今回は自宅での点滴について見ていきましょう。
■点滴はどんなときにするの?
そもそも点滴はどのような場合にするのかという疑問ですが、基本的には以下のような場合に点滴が選ばれます。
・内服薬を飲み込むことができない
・すぐに効果を利かせたい
このような場合が主に点滴を実施する目的となります。
たとえば脱水症状がひどく、口から飲んでも吸収までに時間がかかってしまうので、直接血管内に水分を入れてしまう場合も適応です。
また飲み込む力が低下している方や誤って肺に入ってしまう方などは肺炎の危険性もあるため、抗生剤や栄養剤などを点滴する場合もあります。
■点滴を行った実例
過去に下記のような方の点滴をした事例があります。
・自宅で暑い中過ごし、脱水になった方
・妊婦で悪阻がひどくままならない方
・自宅で看取るため、自宅での療養を希望された方
・感染症にかかっても病院受診は望まれず、抗生剤での治療を希望された方
■自宅で点滴をするためには、「訪問診療」か「訪問看護サービス」が必要
点滴をする場合には、医師が自宅で診察を行う「訪問診療」を利用するか、看護師が自宅を訪問して看護を行う「訪問看護サービス」を利用する必要があります。
訪問診療は、「居宅(施設)で療養を行っている患者で、疾病、傷病のために通院による療養が困難な方」という条件がありますが、細かな規定はないため主治医の判断で利用可能です。
訪問看護は40才以上の方で一定の条件を満たしていれば介護保険を利用できますし、40才に満たない方は医師の指示で医療保険を利用し、訪問看護を利用することが可能です。
訪問診療の場合には、点滴実施後に医師や看護師が点滴の処理を行い、再度訪問してもらえるでしょう。また、訪問看護サービスと連携して処理を行う場合もあります。
訪問看護サービスであれば、看護師が点滴を実施し、終了する時間にまた再度訪問して点滴の処理を行ってもらえます。
点滴は病院で行うものだというイメージがありますが、今後は病院で受けることの規模も縮小される可能性が高いです。
在宅でできるこういったサービスを利用し、自宅での生活が長く続けられるようにしたいですね。