要介護になる主な要因は?~年齢や性別による比較~

2020/07/02

要介護になる主な要因は?~年齢や性別による比較~

高齢になってからも元気に過ごしたい、自分の足で歩いて自分のことは自分でやり続けたい、と多くのひとが思っていると思います。外来で話をしていると「ピンピンコロリがいい」という言葉をよく聞きます。

平均寿命と健康寿命

平均寿命                            健康寿命

男性                     81歳                                  72歳

女性                     87歳                                  75歳
平均余命が徐々に伸び、それと共に健康寿命も徐々に延びていっていますが平均寿命と健康寿命を比べると10歳前後の差があることがわかります。

実際に、74歳までの要介護のひとは2.9%に留まりますが、75歳以上になると23.5%と劇的に上昇しているのが現状です。

介護の原因

介護になった原因をみてみると男性では圧倒的に脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)、女性の場合には認知症が多くを占め、男性に比べて骨折や転倒、関節疾患も多いのが特徴です。

脳血管疾患などは生活習慣病のコントロールが大切になりますが、男性でも骨折や転倒、関節疾患、高齢による衰弱を合わせると、寝たきりの原因として脳血管疾患を大きく上回ります。

寝たきりにならないためには骨折や転倒、関節疾患のケアを注意すること、また、ならないための日々の運動習慣が大きく関わってきます。

腰が痛くて、膝が痛くて動かない、動かないことでますます筋力は低下し足下がおぼつかなくなる。そして、あるとき転倒。骨折して床上安静を余技なくされますます筋力は低下し自身で動くことができなくなる。このように容易に寝たきりになってしまいます。

腰の痛みや膝の痛みなど整形外科的な痛みが慢性的にある場合には「安静」の痛みの改善効果は低く、軽い運動をすることが痛みのコントロールにもよいことが知られています。

日頃の運動習慣により筋肉や骨に適度な刺激を与えることが大切です。100歳になっても日々のリハビリで筋肉をきたえられます。

まずは歩くこと、スクワットなどの軽い運動を取り入れること、それからタンパク質もしっかり取り入れた食生活に気をつけること。

寝たきりの一番の原因は病気でなく運動不足といってもいいかもしれません。

若い頃から運動習慣を継続することで健康寿命を延ばすことにつながります

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