2020/07/23
外来にきた方に1日に食事以外に水分を1500ml程度摂りましょう、と指導しています。また、運動するとき、汗をたくさんかくときにはいつも以上に摂る必要があります。
しかし、本人の言っていることがアテにならない場合など周りの人からみて、水分が足りているのか知りたいときがあるかもしれません。いまの時期は脱水は熱中症と紙一重でもあります。
周りのひとからみてわかる脱水の指標がいくつかあるので紹介します。
・尿量減る
体の中の水分量が少ないと、作られる尿の量も減ってしまいます。朝起きた時に色の濃い尿が出ることがよくありますが、脱水の時には色の濃い尿が少しだけ作られるようになります。
・肌のハリが落ちる
脱水になると肌もクスミ、カサカサになると同時にハリもなくなってしまいます。脱水により肌のハリが弱くなることをツルゴールの低下、といいます。
方法としては手の甲(シワが伸びている時には鎖骨のあたり)の皮膚をつまみます。2秒たっても元に戻らない場合にはハリが落ちている可能性があります。
・脈拍があがる
脱水になると血液の量も減るため、少ない量の血液を一生懸命全身に送り届けるために脈拍は早くなります。また、既往として不整脈がある方では不整脈の発作がでやすくなります。
・血圧が下がる
血管のなかの血液量が少なくなるため血圧が低めになってきます。体勢を変えたときの血圧の調節も難しくなるので立った時に、血圧が下がりやすい起立性低血圧になったり、くらっとするめまいが起きたりすることも増えます。
水分摂取減ると、頭痛や嘔気やこむら返りといった症状でてきます。本人がどのくらい水分を摂れているかわからない、というときでも尿の量、血圧や脈拍、肌の状態などにヒントが隠れています。
さらに脱水がすすむと意識が朦朧としてくる、といった症状もでてきます。マスクをしていたり、湿気も多く脱水に気付きにくい状況が続いています。知らないうちに脱水がすすんで、重症な熱中症にならないよう気をつけるようにしてください。