2020/09/03
患者:「足がつって・・・」「立ちくらみがひどくて・・・」「しょっちゅう頭がいたくて・・・」
医師:「水分摂っていますか?」
患者:「毎日お茶を結構のんでますよ!」
医師:「それはいいことですね、どのくらいですか?」
患者:「う~ん、500mlペットボトルに1本は飲んでます!!」
医師:「!!!!」「それは少ないですね、もっと飲んだら症状がよくなるかもしれません」
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外来で頻繁に繰り広げられる会話だそうです。
・1日にどのくらいの水分を摂った方がいいのでしょうか。
ペットボトル1本500ml摂っていれば十分なのでしょうか
成人の身体の60%、高齢者では50%が水分でできており、身体の水分は、尿や便であったり、皮膚や息から不感蒸泄として身体の外にでてしまいます。
そして、体重の2%以上の水分が失われると(体重50kgの人で1.0L)、喉の渇きを自覚するようになるのです。
成人では喉の渇きを自覚して水分を摂っても脱水症にはなることは多くありません。しかし、高齢者では身体の中の水分量がもともと少ないことや、喉の渇きを感じる機能の衰えなどから容易に脱水症になりやすいといえます。
日常生活をおくるなかで1日に必要とされる水分量は2.5L程度といわれ、激しい運動で大量の汗をかく場合にはより多く、3L以上の水分が必要といわれています。
食事に含まれる水分量を1.0L、体内でつくられる水を0.3Lとすると飲料としては最低でも1~1.5Lが妥当といえるでしょう。
飲料としては、水やお茶など砂糖や塩などが含まれないものが勧められます。
脱水症になってしまった場合には経口補水液やスポーツドリンクなどでの水分補給も必要になりますが、平時には必要ありません。
一気に飲んだ飲料はそのまま尿になりますので、食事のとき、食間にコップ1杯程度ずつなど少しずつ摂るのが効果的です。
また、カフェインを多く含むものは利尿作用が高まり、トイレが近くなるので注意がひつようです。特に、夜にトイレが頻回になって困る、という方は日中の水分摂取を増やし寝る前は控えることをおすすめします。
立ちくらみやめまい、頭痛などの身体の不調は水分不足のサインであることも多いです。
徐々に暑い日が増えてきますが、脱水症に気をつけてお過ごしください。