2020/09/24
年齢を重ねるごとに、肺の機能が落ちたり、呼吸に必要な筋力の低下があったりすることで息切れがでやすくなってしまいます。
いきぎれがあることで動きたくない、動けない、と活動範囲は狭くなり体を動かさないことでさらに筋力は落ち、寝たきりへとなってしまうこともあります。
呼吸の運動を行うことは生活の質を保つ、健康を維持するためにもとても大切です。
■効果
自覚的なことでは、呼吸をするのに必要な筋肉や胸郭を柔らかくすることで呼吸を楽にする、息苦しいのを軽減することにつながります。そのため、持久力もあがり活動の幅がひろがります。
不安やうつ状態を改善することもわかっており、身体的なことだけでなく精神的にも効果がみられるのが呼吸リハビリテーションです。
■対象となる疾患
一般的に多い肺の病気、呼吸器の病気の多くは呼吸リハビリテーションの対象となります。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)、
- その他の慢性呼吸器疾患(喘息や間質性肺炎など)
- 集中治療室退室後
- 肺の術後
- 食道癌、胃癌、肝臓癌、咽・喉頭癌の術前後
◼️リハビリで行うこと
呼吸リハビリテーションは、医者や作業療法士、理学療法士、看護師やそのほかにも栄養士や薬剤師などあらゆる職種の医療スタッフがチーム医療で行います。
リハビリテーションというと、体を動かすことと思いがちですが、呼吸リハビリテーションではそれだけではありません。病気や使っている薬についての理解、禁煙や栄養について学ぶとともに、体力をつけるための運動や呼吸を整える方法などをトレーニングしていきます。
■呼吸リハビリをやってみる
- 腹式呼吸 : 鼻からゆっくり息を吸い、そのときに腹部が空気で持ち上がるように意識する。
口からゆっくり息を吐き、そのときにお腹はへこんでいきます。
- 口すぼめ呼吸 : 鼻から息を吸います。
口をすぼめた状態ですったときの倍の時間をかけてゆっくりと息を吐いてください。
- 運動療法 : ストレッチやウォーキング、筋力トレーニングなどを組み合わせて行います。
①毎日
②ややきついと感じる強度の運動
③20分以上
④筋力トレーニングやウォーキングを中心に
呼吸リハビリの対象となる疾患でない方でも年齢とともに呼吸筋を含む筋力の低下は免れません。日頃から体を動かすことは大切です。
■呼吸リハビリの現状
呼吸リハビリテーションを行うことで患者の症状改善や生活の質、精神的にも改善をみられ、あらゆる効果があります。しかし、呼吸器の専門病院では普及しているものの、在宅酸素療法が導入されている患者では3割しか呼吸リハビリテーションが実施されていません。
今後、必要としている患者に広く呼吸リハビリテーションが普及していくことが期待されています。