高齢者のスキントラブルシリーズ【床ずれ編】

2021/08/05

高齢者のスキントラブルシリーズ【床ずれ編】

高齢者になると思うように体が動かずに、同じ体勢で過ごすことが多くなってきます。

そうすると床ずれといって皮膚に穴が空いた状態になっていまいます。

この状況を床ずれ(専門用語で褥瘡(じょくそう))といいます。

今回はこの床ずれが出来てしまわないように、予防方法や対処方法を説明していきます。

専門用語を使わずに、簡単に説明しますので最後まで是非読んでみて下さい。

 

なんで床ずれができるの?

まずは床ずれがなぜできるのか解説していきます。

床ずれは、圧迫され続けることが一番の原因です。

圧迫されると、圧がかかった場所に血液が届きません。

そうすると皮膚が痛んでしまい、壊死してしまうのです。

床ずれができる原因としては

・同じ部位の長時間圧迫

・皮膚の湿潤または乾燥

・栄養不足

・皮膚の摩擦やずれ

というものがあります。

特に骨が出っ張っているところは要注意です。

 

床ずれができないための予防法

まずは同じ場所に圧がかかり続けない様にすることが大切です。

仰向けで寝ている状態であれば、後頭部や肩甲骨、腰、お尻、かかとなどに圧がかかり続けます。

脳梗塞で麻痺がある方や体が固まってしまっている方など、自力で動けないような方は特に注意が必要でしょう。

長くても2時間以内には体の向きを変えて同じところが圧迫されていないようにします。

次に汗やおしっこなどで湿っている状態のままにしていると、皮膚が柔らかくなって破れやすくなります。

乾燥している場合にも皮膚は破れやすくなります。

ご飯を食べることも大切な予防につながっています。

栄養がなければ、皮膚はどんどん弱くなっていき、修復もできなかったりします。

最後に摩擦とずれを防ぐ必要があります。

摩擦やずれは服やシーツによって起こります。

ベッドの頭元を上げた状態にしていると、背中がすれて引っ張られている状態になっていたり、姿勢が崩れることによって摩擦が起こり、皮膚に悪影響を及ぼします。

 

床ずれができてしまったら

皮膚が赤くなっていて、抑えても色が変わらなければすでに褥瘡の段階です。

赤くなっているところをタオルなどでうかせて、圧をなくして赤みがなくなるのを待ちましょう。

皮膚が破れて傷になっている場合には近くのクリニックへ相談してみて下さい。

クリニックへ行くことが難しい方は、訪問診療なども行っていますので相談してみて下さい。

 

今回は床ずれについて簡単に解説してきました。

床ずれはできてしまうと、治るまでに時間を要してしまいます。

・同じ体位でずっと圧が同じところにかかっている

・服で皮膚がズレたり摩擦が起こってしまう

・汗やおしっこなどで湿った環境が続いて皮膚が弱くなっている

・食事量が減ったり偏食による栄養不足で皮膚に栄養が届かない

このような原因がありました。

この原因をどれだけなくすことができるかで、床ずれを防ぐことができます。

床ずれが出来てしまった場合には、近くの医師に相談しましょう。

クリニックに行けない方は訪問診療をしてくれている医師に相談してみるのも手です。

床ずれができると、痛みや感染症の原因にもなります。

大変ですが、床ずれゼロを目指していきましょう。

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