2021/11/18
咳(せき)と聞くと風邪ひいたのかな?と思うのが一般的でしょう。
しかし咳ひとつとっても、とても苦しい病気が隠れている可能性があります。
今回は咳き込んだり、ぜーぜー・ヒューヒューいう時に家でできる対応や病院へ行ったほうがいい場合を紹介します。
■咳(せき)ってなんで出るの?
そもそも咳はなぜ出るのでしょうか?
咳はのどに付いた異物(たんや細菌、ゴミなど)を外に出すために身体の反射として起こる行動です。
意図的に行うこともあれば、無意識に出てしまうこともあります。
また喘息のようにアレルギー反応でのどが炎症を起こし、刺激になって咳が出る場合や心臓が悪い方などは空咳が出ることもあります。
■咳の種類
咳には、
・湿った咳(湿性咳嗽)
・乾いた咳(乾性咳嗽)
の2種類に大きく分けることができます。
肺炎や気管支炎、喘息など炎症が起きている場合には湿性咳嗽が主に見られます。
乾性咳嗽は心臓病や百日咳など痰を伴わない病状のときに出現します。
一概に咳が出るといっても、どのような咳なのかを確認しておきましょう。
■喘鳴って?
ヒューヒュー、ぜーぜーと音がする場合もあります。
これはアレルギー反応で喉が狭くなり、笛のような音がする現象です。
気管支喘息などでよく見られる症状で、空気が思うように吐いたり吸ったりすることができないため、本人はとてもつらい状態です。
呼吸のたびに毎回大きく吸ったり吐いたりを繰り返し、咳も一緒に出ることもあるため体力をかなり消耗します。
■家庭でできる対応
呼吸が苦しいと生命の危機を感じます。
中には初めてなるとパニックになってよけいに呼吸が上手にできず、さらに苦しくなるという悪循環に陥ることもあります。
そばで焦らずに落ち着いて付き添います。
お父さんお母さんが緊張したり焦ったりすると気持ちが伝わって落ち着くことができなくなります。
寝転んでしまうと辛くなるので、まずは座ってゆっくり深呼吸をするように促しましょう。
そして咳や喘鳴が出るとのどが乾燥してしまうため、水分を少しずつ与えてください。
部屋は洗濯物を干したり加湿器を使って加湿しましょう。
(喘息の原因になる可能性もあるため、加湿器は必ず清潔なものを使用してください。)
喘息による咳や喘鳴は徐々にひどくなります。
急にぜーぜーいったり苦しそうにしている場合には気道異物が疑われるので、すぐに救急車を呼んでください。
■こんな時は病院へ!
呼吸が苦しそうにしていると心配になりますよね。
次の場合には夜間でも休日夜間診療所などに受診しましょう。
・ぐったりしている
・呼吸が早い
・水分が取れない
・唇が紫色になっている、顔色が悪い
・寝転んでもすぐに座りたがる
・犬やオットセイが吠えるような咳をする
上記はどれも呼吸状態が悪いときに起こる症状になります。
呼吸ができないと酸素が脳に運ばれず、意識がなくなってしまう場合もあります。
もし症状がなくても咳や喘鳴がある場合には、翌日早めに受診するようにしましょう。
喘息の場合には吸入をするとすぐに楽になります。
アレルギー検査でなぜ喘息が出てくるのかも把握しておくと、喘息発作の予防にもなります。
もしも判断に困った場合には「#8000」に電話しましょう。
厚生労働省が行っている子ども医療電話相談事業でお住まいの地域の相談窓口に自動転送されます。
小児科医や看護師に症状や対応を相談することができ、アドバイスができます。
救急車を呼ぶかどうかなど困っているときや、子育てが初めての方などはぜひ使ってみてくださいね。
厚生労働省「子ども医療電話相談事業」詳細はこちら
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html
参考資料;山口県小児科救急医療ガイドブック
(監修:山口県小児科医会 制作:山口県健康福祉部医療政策課医療対策班)