2021/11/22
弾性ストッキングは下肢のむくみや静脈瘤のときなど活躍する医療器具です。足から上に向かって物理的に血流を押し上げることで効果を発揮します。
■弾性ストッキングが必要なとき
むくみ予防や下肢静脈の血栓予防(いわゆるエコノミー症候群)などで使われます。デスクワークで長時間動かないときや立ち仕事でも長時間歩かない場合にはむくみがでやすくなるためむくみの予防に効果的です。また、妊婦さんも足がむくみやすく下肢静脈瘤にもなりやすいため弾性ストッキングを使うことで予防になります。下肢静脈瘤の方や高齢の方に多いうっ滞性皮膚炎の症状を緩和させる効果もあります。
足の血行障害やうっ血性心不全、皮膚移植後の方は使用できませんので注意してください。
■市販と医療用弾性ストッキングの違い
ドラッグストアにいくと市販の着圧ソックスや圧迫ストッキングなどが売られています。医療用との大きな違いは圧迫圧の違いです。圧迫圧15mmHg以下のものが市販で売られており、圧迫圧が強いものは医療機関で取り扱われます。医療用は価格の幅はあるものの市販のものに比べ高価ですが、効果も高いということです。
■弾性ストッキングの種類
弾性ストッキングにも様々なバリエーションがあります。圧迫圧が違うもの、長さが膝下まで、太ももまであるもの、ストッキングタイプのもの、つま先部分があったりなかったりと様々です。
自身がはきやすいものを選ぶのがいいのですが、つま先まであるものは冬でも温かい、つま先がないと蒸れにくいため夏場にむいているものの先端がめくりあがると足の甲が痛くなりやすくなります。
サイズは足首とふくらはぎをはかってサイズ表に当てはめて決めていきます。足首のサイズを優先してサイズを選ぶといいでしょう。
■弾性ストッキングのはき方
弾性ストッキングははき続けることで効果を持続させますが圧迫圧が強いためかなりはきにくくなっています。はきやすくなる工夫もあるので試してみてください。
・インナーソックス
普段はいているストッキングなどの上からはくことで滑りやすくはきやすくなります。弾性ストッキングが直接肌にふれないために肌にもやさしいのでお勧めです
圧迫圧の弱いものははきやすいため2枚重ねることで倍の圧迫圧を得ることができます。
・補助器具をつかう
弾性ストッキングによっては付属の補助スリッパがついてくるものもあります。すべりやすくはきやすいため使ってみてください。
ロール型着脱補助器具は最初の下準備が必要ですが短時間で着脱が可能です。
■弾性ストッキングを使う
弾性ストッキングは診察を受けて弾性ストッキングを購入する方法、インターネット通販で購入する方法とありますが、自身の足のサイズの合ったものを使用するようにしてください。間違った使用法をすることで症状が悪化してしまうこともあるため注意が必要です。
足の違和感がある場合にはすぐに使用を中止しましょう。
静脈瘤が気になる、足がむくみやすいといった方に弾性ストッキングはとても効果的ですのでぜひ試してみてください。