2022/02/21
かゆみを伴う皮膚疾患は多数ありますが、「疥癬」もそのひとつです。
■疥癬の原因
疥癬は「ヒゼンダニ」が原因です。ヒゼンダニが皮膚に寄生することでおきる病気のことをいいます。
疥癬には「通常疥癬」、「角化型疥癬」の2種類があり、感染力に強さに大きな違いがあります。
■ヒゼンダニ
ヒゼンダニはとても小さく、目で見ることのできない大きさです。10~14日程度のライフサイクルで、メス成虫は交尾の後、手や指、脇の下、足首足裏、陰部などに疥癬トンネルという穴を掘り、卵をうみつけます。
ひとの肌がヒゼンダニにとって生活しやすい環境であり、肌からはなれると生きてはいられません。
■角化型疥癬には要注意!
角化型疥癬、通常疥癬ともヒゼンダニが原因ですが、角化型疥癬は感染力が非常に強いため注意がひつようです。短時間の接触で容易に感染しやすく短い時間で発症します。
2種類の疥癬の違いについてです。
・通常疥癬
赤いブツブツや疥癬トンネルが皮膚の症状です。
指の間や側面、手のひらに疥癬トンネルはできやすく、赤いブツブツは腕や足、お腹や胸にみられます。
・通常型疥癬
ヒゼニダニの数は数十匹以下です。通常の免疫力の方でなりやすく、赤いブツブツや疥癬トンネルができることがあります。かゆみが強いですが感染力は弱く、十分以上接触しているとうつってしまうことがあるかもしれません
・角化型疥癬
免疫力の低下している人に多く、100万~200万匹のヒゼンダニがおり、強い感染力をもちます。角質が増殖し、あかが増えたような状態となりかゆみがあるとはかぎりません。短時間でも接触があったり、衣類、寝具などを介しての感染、皮膚からはがれおちた角質からも感染してしまうことがあるのです。
■どのくらいで発症する?
通常疥癬の場合は、感染してから1~2ヶ月して強い痒みがおきることがあります。角化型疥癬から感染する場合も通常型疥癬として発症しますが、感染力が強いために早くに症状が出始めるかもしれません。
■疥癬の治療
塗り薬や飲み薬をつかってヒゼンダニの治療をおこないます。塗り薬の場合には、通常型疥癬では首から下の全身、角化型疥癬ではかおも含めた全身に塗り残しのないようにします。
疥癬トンネルのできやすい手や足、外陰部は念入りに塗るようにしてください。