2024/06/27
自宅で最期を迎えるときには、どれだけ心の準備ができていてもソワソワしてしまうことでしょう。
しかし心の焦りが望まない最後にならないために、まずは体の変化を理解しておき、どのような経過で最期を迎えるのか知っておくことが大切です。
■看取りは最後の思い出
看取り支援はその方が生きている人生最後の記憶になります。
これまで生きてきた過程を考えながら、眠る時間が多くなっても話しかけたり肌に触れてあげたりすることも大切です。
また家族の悲嘆ケア(グリーフケア)のためにも看取り支援でどれだけ関わりが持てたかが重要となってきます。
最後の記憶になるこの期間を大切に、良い時間になるように支援することが重要です。
■看取り支援は準備が8割
看取り支援は8割が準備と言われています。
準備さえできていれば、あと2割はそのときそのときの出来事に対処をするだけになります。
準備とは、心の準備はもちろん、本人の体の準備や支援体制の準備、逝去後の葬式などの準備などがあります。
今回は本人の体がどのような順序で終わりを迎える準備をするのか、見ていきましょう。
■体の変化はいろいろ
看取り期に入るとさまざまな体の変化が見えてきます。
しかし変化が起きるのは約2週間前ほどからで、それまでは今までと何ら変わりはありません。
飛行機が着陸するときを想像するとわかりやすいです。
徐々に高度を下げていき、車輪を出し、路面に着地したら出力を下げ、徐々に停まります。
人間の体も同じように、
・眠っている時間が長くなる
・おしっこが出なくなる
・柔らかいお通じが1日数回に分けて出る
・手足の指先の色が変わってくる
・呼吸が浅くなってくる
というように、体も順番を経て着地の準備をしていきます。
ここで点滴や胃ろうなどを過剰にしてしまうと、本人が準備をしているのに邪魔をしてしまうことになります。
そうすると安楽に旅立ちができるはずだったのに、苦痛を鮮明に感じてしまい、安楽な最期が迎えられなくなることになってしまいます。
点滴や酸素吸入などは必要最低限にすることを念頭においておきましょう。
看取り支援で大切なのは準備です。
本人のペースで最後の体の準備を行い、旅立とうとしているときに人工的なものを入れてしまうと準備が滞ってしまいます。
もちろん脱水や低酸素、疼痛などの苦痛は緩和しなければなりませんが、きちんと医師や看護師と相談しながら医療的な処置を行い、準備の邪魔をしないようにしましょう。
また他にも並行して準備するものもあります。
きちんと計画を立てて、早めに動くことをお勧めします。