2021/04/08
子どもの病気としてよく知られている「おたふくかぜ」ですが、大人でもかかることがあります。
おたふく風邪はムンプスウイルスによるウイルス感染症で医学的には「流行性耳下腺炎」、「ムンプス」とだけよばれることもあります。
罹りやすい年齢は皆さんイメージの通り3~6歳の未就学児に多く、感染力が強いため集団感染に陥りやすい感染症です。そのため学校法ではおたふくかぜにかかると、出席停止の措置がとられています。
おたふくかぜは一年のうち5~7月に流行しやすい感染症です。
耳や顎のあたりにある耳下腺や唾液腺にウイルスが感染し腫れ上がるのが症状の特徴といえます。
症状がでて1~2日がピークになり、飲食など唾液がでるときに痛みが強くでますが、1週間程度で改善していきます。
感染力は強いものの子どもでは唾液腺が腫れるだけで症状が治まることもある感染症ですが、大人になってもかかる可能性があり、気をつけなければいけません。
大人の場合には重症化しやすく合併症がでやすくなります。
合併症は成人男性では精巣炎、女性では卵巣炎などがあります。これらが不妊の原因にはならないといわれていますが、妊娠中に感染すると流産のリスクが高くなるのです。
その他にも脳炎や膵炎、無菌性髄炎といった全身の合併症も引き起こすリスクがあります。予後は良いといわれていますが、顔面麻痺や難聴といった後遺症を残してしまうことがあります。
残念ながら現在特効薬はないため予防が大切であり、一番の予防法は予防接種です。
子どもの予防接種スケジュールにはいっているものの任意接種であるため、実は予防接種をうけていない方もいるかもしれません。
また、予防接種を受けていてもストレスや不規則な生活などにより感染してしまうこともありますので、日頃の生活習慣でも日々感染対策をして気をつけるようにしてください。