2021/09/13
歳を重ねるにつれ、身体の機能、筋力の衰え、生活の手助けや介護が必要になってくることを「フレイル」といい、耳にしたことがある方も多いかもしれません。体の機能の衰えのなかには、口腔機能も含まれて、口腔機能の衰えを特に「オーラルフレイル」といいます。
■口の運動している?
日ごろからウォーキングなどを心がけているひとでも口を動かしているかということまで気を付けている方はいるでしょうか。
とくにコロナ渦ではひとと会って話す機会が圧倒的に減ってしまっています。硬いものを食べたり、会話をしたりということが口の運動につながります。
また、話したり、硬いものを食べたりすると唾液が分泌され、消化の助けになり、雑菌の繁殖をふせぐ効果も得られます。
■オーラルフレイル対策
・うがいをする
口を動かすケアのひとつとして「うがい」があります。少し長めの1分程度を目安にぶくぶくうがいをしてみてください。さらに、上を向いて行う「ガラガラうがい」も効果的です。
・パタカラ体操
「パ」「タ」「カ」「ラ」とはっきりと口を大きくあけて発音します。「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」といったように少しリズムを変えて行うのも効果的でしょう
・しっかり噛む
少し硬めの食材や、歯ごたえのよいメニューを取り入れることをお勧めします。しっかり噛むことで口の周りの筋肉を鍛えることもでき、唾液を分泌することにもつながります
・歌う
話をすることもいいですが、大きな声で歌を歌うことは口の周りを動かすこと、呼吸筋をきたえることにもつながります。お風呂のなかで歌ってみたり、カラオケで熱唱するなどもいいかもしれません。
■オーラルフレイルのチェックリスト(OFI-8)
- 半年前と比べて硬いものが食べにくくなった
- お茶や汁物でむせることがある
- 義歯を使用している
- 口の渇きがきになる
- 半年前と比べて、外出の頻度が少なくなった
- さきいか・たくあんくらいの硬さの食べものが噛めない
- 歯を磨くのが1日に2回未満
- 歯科受診が1年に1回未満
東京大学高齢社会総合研究機構 田中友規、飯島勝矢
口の機能は使わないとどんどん衰えてしまいます。チェックリストで3つ以上〇がつく場合には歯科など医療機関の受診をおすすめします。