2023/08/29
バイタルサインとは生きているサインで、種類としては「体温」「脈拍」「呼吸」「血圧」があることを紹介しました。
今回は普段、何気なく測定している「体温」について深堀してみましょう。
■体温はきちんと体が活動している証拠
普段、体調が悪いとき、最初に観察するポイントは体温が多いのではないでしょうか。
体温は身体の中できちんと代謝が行われ、必要なエネルギーが燃えている証拠になります。
次項でも説明しますが、身体が頑張らなくてはいけないときには高熱に、体力を温存しなければならないときには低温に変化します。
体温の正常値は36.0~37.0℃とされていますが、個人差があるため一概に異常があると決めつけるのは良くありません。
冷気に触れている場合や熱い部屋の中にいる場合、測った脇を下にして寝ている場合など環境によって大きく変わってきます。
しっかりとセンサー部分が脇に入っていないと正確には測れないので気をつけましょう。
■体温は低くても高くても異常
前項でも少し触れましたが、体温が上がるときは頑張らなくてはいけないときです。
例えば体の中に菌が侵入して戦わなくてはいけないときや、運動をしているときなどが体温を上げる条件になります。
また低いときはどのようなときかというと、一般的には睡眠時(深い眠りのとき)には体温が下がっています。
また山岳などで遭難したときや低栄養状態のときも体温が低くなり、なるべく力を使わない低燃費モードに入るのです。
■「普段と違う」が大切なポイント
正常値は36℃代とお伝えしましたが、37℃を超えれば異常と一概には言えません。
大切なのは普段の熱がどの程度なのかを把握するところからです。
低体温になることは日常生活ではほとんどなく、主には発熱でしょう。
発熱の場合、平熱(普段の体温)から何度上昇したかが異常かどうかを見分けるポイントになります。
36.5℃の人が1.5℃上がると38℃で「発熱」と判断されますが、35.5℃の人が1.5℃上昇しても37.0℃にしかなりません。
平熱が低い人は1.5℃上昇しても微熱扱いになってしまいます。
■体温と呼吸数の関係
発熱のときには代謝が上がり、脈拍数や呼吸数が増加すると思われていますが違います。
発熱時には脈拍数は増加しても呼吸数は増加することはありません。
もしも呼吸数まで増加しているのであれば、それは敗血症などの感染症を疑う必要が出てきます。
いかがでしょうか?
1つ体温を見てみても、上昇するか低下するかによって考えられる病気が絞られてきます。
体温が急上昇するか緩やかな上昇かなどによっても変わってきますが、話が難しくなるのでまたの機会にしましょう。