バイタルサインってどんなもの?(呼吸編)

2023/09/22

バイタルサインってどんなもの?(呼吸編)

バイタルサインの中でも「呼吸」はとても重要なサインと考える医師も少なくありません。

医師などの医療従事者はなぜ呼吸を重要視するのでしょうか。

今回はバイタルサインの中の「呼吸」について深堀してみましょう。

 

■呼吸が一番大切な理由

呼吸は生命を維持するのにとても重要な役割をはたしています。

そもそも呼吸は体の中に酸素を取り入れ、各臓器に酸素を送り届けて不要な二酸化炭素を排出する行為です。

そのため、心臓が動くためや脳が機能するために必要不可欠な酸素の取り込みと二酸化炭素の排出を行っているのが呼吸となります。

呼吸していない、または異常がある場合には何かしら体の中で異常が起きており、放置しておくと大変なことになってしまいます。

 

■看護師でも軽視しがちなのが呼吸の「数」

呼吸が重要とわかっていても、測定するのにも時間がかかってしまう「呼吸数」は看護師も軽視する人が多いのも事実です。

しかし呼吸数はとても重要なものになります。

正常な成人では1分間に12~20回が正常範囲の数値です。

10~12回、20~22回程度は異常のグレーゾーンでしょう。

これよりも多い、または少ない場合には肺そのものか心臓や脳などに異常があったり、貧血や痛みなどの症状があったりと問題を見つける必要があります。

 

■呼吸は唯一自分で調整できるもの

しかし、呼吸は自身で調整することができる唯一のバイタルサインでもあります。

体温や脈拍、血圧は自分でコントロールして上げ下げすることは容易ではありません。

しかし呼吸は自分でリズムや深さをコントロールすることが可能です。

酸素が足りないと思えば深呼吸して深い呼吸をしたり、回数も増やしたりすることができます。

また匂いが辛いときや煙など、体に不快な情報や有毒なものを体内に入れないことも可能です。

 

■呼吸は速さと深さが大切

呼吸の大切さがわかったところで、観察するときや意識するときに大切なことは「速さ」と「深さ」です。

さきほどから説明している通り、酸素が足りないときにはしっかりと深く、速く呼吸をして酸素を取り入れようとします。

特にこれは意識的に行っていることもあれば、貧血や肺疾患、心疾患などの影響で無意識に行っていることもあります。

平常時であれば、一定のリズムで無意識にリラックスして呼吸しているのが理想的です。

一定のリズムで穏やかな呼吸をしていないときにはすぐに全身を観察するようにしましょう。

 

■人生最後の時に出てくる呼吸の特徴

人生最後のときにも呼吸に変化が起こってきます。

深い呼吸と浅い呼吸を繰り返す「チェーンストークス呼吸」やリズムが不規則な「ビオー呼吸」、顎で呼吸をするような「下顎呼吸」が有名です。

このような呼吸は「死前期呼吸」と呼ばれ、命が途絶えようとしているときの呼吸です。

もしも看取りなどではなく、延命治療を行う予定の方にこのような呼吸がみられた場合にはすぐに医療従事者へ報告しましょう。

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