2022/10/14
人生の最後のステージになる看取りの段階になると、口から食事や水分が摂取できなくなってしまいます。
そのような時期になると必ず直面する問題が点滴を行うかどうかです。
今回は看取り期で点滴を行うデメリットを見ていきましょう。
看取り期ってどんな時期?
そもそも見取り期ってどんな時期なのでしょうか。
病院でいろいろな治療を行えますが、治療には副作用が必ず存在します。
薬物療法や手術、リハビリなどいろんな治療方法はありますが、人間には寿命が存在し、寿命以上は生きることが難しくなってきます。
治療をしても回復しない、もしくは治療をする方が体に負担がかかってしまいいい結果にはならない状態で最後のステージに入ります。
ゴールが見えてきたため、どのようにその人らしくゴールテープを切るかを考える時期が看取り期になります。
看取り期に起こる現象
看取り期になると様々な体の変化が現れてきます。
歩けて食事が取れていた人が、寝たきりになり食事が入らなくなります。
自分の身の回りの世話ができなくなり、介護が必要になってきます。
食事が取れなくなり、水分摂取もできず枯れていくように最後をゆっくりと迎えます。
枯れていく段階で水分が摂取できないため、脱水の状態に陥ります。
ここで家族はどうにかしたいと思い点滴を希望したり、入院を考えたりすることが多いです。
本当に点滴は必要?点滴をするデメリット
看取りの最終段階に入ってくると、体は脱水傾向になります。
実はここで点滴を行うことはデメリットが多くあり、一見、回復したように見えても本人自体は苦痛を伴っていることが多くあります。
食事が入らなくなるのは、体が栄養を十分に吸収できなくなるため、また少しでも体力を温存するために受け付けなくなります。
最期を迎える体の準備をしているのです。
そのため脱水傾向のままの方が、意識レベルも低下し幸福ホルモンの影響も受けて安楽に過ごせるという研究者もいます。
しかしこの段階で点滴をしてしまうとせっかく体の準備をしているところに、水を入れてしまうと意識レベルが改善されて、元気になったように見えます。
ところが本人にとっては苦痛をはっきりと感じてしまい、また点滴で入れた水分を処理しきれず、腹水や胸水、全身の浮腫などにつながってしまいます。
点滴が全ていけないわけではない
今回はデメリットを紹介しましたが、点滴の全てが悪いわけではありません。
本人が脱水状態を苦痛と感じたり、少しでも長く生きたい、治療をしてほしいと望む場合はしっかりと話し合い、点滴を実施します。
また「親のために何かしてあげたい」と考える家族には、できることはしてもらったという、グリーフケアにもつながることがあります。
看取り期の最後になり、会話ができなくなる状態の前に一度、本人や家族で最後はどう迎えたいのか、少しずつでもいいので話し合っておくことが大切です。