介護保険でできる住宅改修:住み慣れた家で安全に暮らすために

2025/06/10

介護保険でできる住宅改修:住み慣れた家で安全に暮らすために

「年齢を重ねるにつれて、家の中の段差が気になる」「立ち座りがつらくなってきた」

介護が必要になると、このように感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 ベッドや手すりなど、介護用品を使い始める方もいるかもしれません。

もちろん、最初からバリアフリー設計の住宅であれば問題ありませんが、多くの場合、そうではありません。 そんな時に検討したいのが「住宅改修」です。

今回は、介護保険を利用してできる住宅改修についてご紹介します。 住み慣れた家で、より安全に、安心して暮らすために、ぜひ参考にしてください。

 

1.住宅改修とは?
住宅改修とは、自宅での生活をより安全に、快適にするために、家の一部を改修することです。 具体的には、以下のような工事が挙げられます。

・段差の解消: 玄関、廊下、浴室などの段差をなくす。スロープを設置する。
・手すりの設置: 廊下、トイレ、浴室などに手すりを設置する。
・床材の変更: 滑りにくい素材に変更する。
・扉の変更: 開き戸を引き戸に変更する。
・トイレの改修: 和式便器を洋式便器に変更する。

これらの改修は、福祉用具だけでは解決できない、住宅の構造的な問題を解消するために行われます。 転倒防止や、身体への負担軽減に繋がり、より安全な生活を送るために重要な役割を果たします。

 

2.介護保険で住宅改修:利用条件と上限金額
介護保険を利用して住宅改修を行うには、いくつかの条件があります。

・対象者: 要支援1~要介護5の認定を受けている方
・改修場所: 対象となる住宅は、被保険者が実際に居住している住宅に限ります。

介護保険を利用すると、住宅改修費用の上限20万円まで、原則9割(所得に応じて8割または7割)が支給されます。 つまり、自己負担額は1割(または2割、3割)となります。

注意点
原則として、20万円の支給は一人につき生涯1回のみです。
ただし、引っ越しなどで住所が変わった場合は、再度20万円まで利用できる場合があります。 詳しくは、お住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。

 

3.住宅改修の具体的な場所と内容
介護保険を利用した住宅改修は、主に以下のような場所で行われます。

・玄関:段差の解消(スロープ設置など)、手すりの設置
・廊下:手すりの設置、滑りにくい床材への変更
・浴室:段差の解消、手すりの設置、滑りにくい床材への変更
・トイレ:段差の解消、手すりの設置、和式便器から洋式便器への変更
・その他:開き戸から引き戸への変更

これらの改修を行うことで、転倒のリスクを減らし、自立した生活を支援することができます。

 

4.住宅改修の手続きの流れ
住宅改修を行うには、いくつかの手続きが必要です。

・ケアマネジャーへの相談:
まずはケアマネジャーに相談し、住宅改修の必要性や、どのような改修が必要かを検討します。

・市区町村への事前申請:
住宅改修を行う前に、市区町村の窓口に事前申請を行います。
申請に必要な書類や手続きについては、市区町村の窓口で確認してください。

・業者選定と見積もり:
複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較検討します。

・工事の実施:
業者と契約後、工事を実施します。

・完了報告と支給申請:
工事完了後、市区町村の窓口に完了報告書と領収書を提出し、支給申請を行います。

・保険給付金の支給:
市区町村が内容を確認し、支給が決定すると、保険給付金が支給されます。
住宅改修は、手続きに時間がかかる場合があります。 余裕をもって計画を進めるようにしましょう。

5.住宅改修を検討する上での注意点
住宅改修は、高額な費用がかかるため、悩む方もいるかもしれません。 また、利用できる金額に上限があるため、二の足を踏む方もいるでしょう。

しかし、住宅環境が原因で転倒したり、関節を痛めたりすると、在宅での生活が困難になる可能性もあります。 長く自宅で暮らすためには、住宅改修は有効な手段の一つです。

住宅改修の必要性を感じたら、まずはケアマネジャーに相談してみましょう。 専門家のアドバイスを受けながら、最適な住宅改修プランを検討することが大切です。

 

6.まとめ

介護保険を利用した住宅改修は、住み慣れた家で安全に、安心して暮らすための有効な手段です。 住宅改修を検討する際には、ケアマネジャーや市区町村の窓口に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

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