2025/04/20

仕事における区切りのタイミングで、「思い切って」介護離職を決断する方が一定数いらっしゃいます。しかし、長年培ってきたキャリアを手放すことは、必ずしも最善の選択とは言えません。
今回は、介護と仕事を両立し、介護離職を防ぐための方法をご紹介します。
1.介護離職とは?
介護離職とは、親や配偶者、子どもなどの介護を理由に、現在就業している職場を退職することを指します。
少子高齢化が進む日本では、介護を必要とする人が増加しており、介護離職は深刻な社会問題となっています。企業の人手不足を加速させるだけでなく、離職されたご本人の社会的な孤立や、介護後の再就職の困難さにも繋がる可能性があります。
2.介護離職のメリット・デメリット
介護離職には、メリットとデメリットが存在します。
メリット:
・介護に専念できるため、家族との時間が増える
・身体的な負担が軽減される
・仕事のストレスから解放される
・介護サービスを利用すれば、自分の時間も作れる可能性もある
デメリット:
・収入が減少し、経済的な不安が増す
・社会との繋がりが減り、孤立感を感じやすい
・介護疲れによる精神的な負担が増える
・再就職が難しくなる場合がある
介護離職を選択する前に、これらのメリット・デメリットを十分に理解し、慎重に検討することが重要です。
もし介護離職を選択せざるを得ない状況になったとしても、以下の点に注意することで、デメリットを軽減できる可能性があります。
・一人で抱え込まず、ケアマネジャーや市区町村の窓口に相談する
・介護保険サービスを上手に活用し、自分の時間を作る
・短時間勤務や在宅ワークなど、柔軟な働き方ができる仕事を探す
3.介護離職を防ぐための解決策
介護離職をせずに、仕事を続けながら介護をするためには、どのような方法があるのでしょうか? 具体的な解決策をご紹介します。
・勤務先への相談:
上司や人事担当者に事情を説明し、勤務時間や勤務形態の変更を相談してみましょう。
介護休暇や介護休業制度を利用できないか、就業規則を確認してみましょう。
・転職:
介護を続けやすい環境が整っている企業への転職を検討してみましょう。
介護支援制度が充実している企業や、短時間勤務、フレックスタイム制度などを導入している企業を選ぶと良いでしょう。
・介護サービスの利用:
訪問介護(ホームヘルパー)を利用し、勤務時間中に介護が必要な時間帯をサポートしてもらう体制を整えましょう。
ショートステイ(短期入所)を利用して、介護者の休息時間を確保しましょう。
・家族との協力:
介護について家族で話し合い、家事や育児など、できる範囲で分担しましょう。
・見守り体制の構築:
見守りカメラなどを設置し、遠隔でも安否確認ができるようにしましょう。
・専門家との連携:
ケアマネジャーや介護サービスの職員と信頼関係を築き、気軽に相談できる関係性を構築しましょう。
・完璧主義を手放す:
「100点の介護」を目指さず、「70点で合格」と考えるようにしましょう。自分を責めすぎず、無理のない範囲で介護を続けることが大切です。
4.介護離職は最終手段
介護離職は、身体的な負担の軽減には繋がるかもしれませんが、経済的な不安や社会的な孤立など、多くのリスクを伴います。
可能な限り介護離職は避け、様々な制度やサービスを活用しながら、仕事と介護の両立を目指しましょう。
もし、どうしても介護離職を検討せざるを得ない場合は、必ずケアマネジャーや市区町村の窓口に相談し、利用できる制度やサービスがないか確認してください。一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら、最適な選択肢を探しましょう。