2023/05/08
在宅での看取りを希望する方やその家族は多いものの、最終的にゴールを迎える場所は施設や病院が主になります。
自宅での看取りを希望していたはずが、なぜ違う場所に行ってしまうのでしょう。
今回は在宅での看取りを行ううえで大切なことを解説していきます。
■在宅での看取りはできる!
結論から申し上げますと、在宅での看取りは可能です。
施設や病院などの看取りがいけないわけでは決してありません。
施設や病院で手厚いケアを受けながら最後を苦痛なく迎えることが良い場合もあります。
しかし手がかかってしまうからといって安易に施設や病院へ移るのはご法度です。
本人が希望し、家族が決意を固めたケースでは在宅での看取りができるケースが多くあります。
大切なのは本人の希望と家族の決意で、他はケアマネジャーや在宅医、訪問看護、訪問介護などさまざまな職種が必ず力になってくれます。
■家族が倒れると本人がつらい
前項でも触れましたが、必ずしも在宅に固執する必要は全くありません。
大切なのは、在宅での生活が本人も家族も苦痛ではないことです。
家族が倒れてしまうと本人もやむを得えず、施設などに入らなくては生きていけなくなります。
現在、介護保険では短期入所生活介護(ショートステイ)や通所療養介護などさまざまな制度が作られており、活用することで家族が休める時間を確保できます。
地域でどのような施設が看取りの方の受け入れをしているかなど、ケアマネジャーと確認しておきましょう。
■訪問看護や在宅医としっかり話し合う機会が大切
在宅での看取りをすると決意が固まったら、しっかりと医療関係者と話をしておきましょう。
いよいよとなったとき、家族の気持ちが揺らぐと適切な最後を迎えることができなくなる場合があります。
看取りを行っている訪問看護ステーションや在宅医と相談しながら、どのように対応していくかをあらかじめ話し合っておきましょう。
早く決めておいて損はありません。
人間は必ず最後を迎えるときがきます。
そのときに備え、考えておくことが重要となります。
一度決めたからと変更できないわけでもなく、医師も看護師も家族や本人の意向がその都度変わることも承知しています。
■在宅での看取りは容易ではありません。
24時間、介護職や医療職がそばにいる施設や病院のほうが良いと考えられるのは無理もないでしょう。
しかし看取りは人生最後の大イベントです。
本人や家族のわがままを突きとおすぐらいの意気込みで丁度良いのではないでしょうか。
家族が体調を壊さず、ゆっくりとした時間を住み慣れた環境で過ごせることが、安寧な最後を迎えるポイントです。