2025/07/10

在宅療養では、普段の生活では使わない物品が必要になることがあります。全てを購入すると費用がかさむため、病院で使用する専用のものを、自宅にあるもので代用できないか考えてみましょう。
病院では点滴スタンドやナースコールなど、療養環境を整えるための設備が充実していますが、在宅ではそうはいきません。今回は、在宅療養で役立つ代用品のアイデアをご紹介します。
1.在宅療養における物品の代用アイデア
1)点滴を吊るすとき
・病院: 点滴スタンド
・在宅: S字フック、ハンガー
点滴は高い場所に吊るす必要があります。病院では専用の点滴スタンドを使用しますが、在宅ではS字フックを利用して鴨居やカーテンレールなどに引っ掛けて代用できます。ハンガーも利用可能です。ただし、点滴の量が多く重い場合は、S字フックが外れたり、カーテンレールが破損したりする危険性があるため、吊るす場所の強度をよく確認してください。
2) 陰部洗浄するとき
・病院: 陰部洗浄ボトル
・在宅: ドレッシングや洗剤の空き容器、ペットボトル
おむつ交換の際などに行う陰部洗浄は、尿路感染症などを防ぐために毎日行うのが理想的です。専用の陰部洗浄ボトルは1,000円~2,000円程度しますが、ドレッシングや洗剤などの空き容器、清潔なペットボトルなどで代用できます。使用前にしっかりと洗浄・消毒し、衛生面に配慮しましょう。
3)家の中を歩くとき
・病院: 手すり
・在宅: 家具の配置工夫
脳梗塞などで歩行が不安定になった場合、手すりの設置が有効ですが、費用がかかる上に、廊下が狭くなるなどのデメリットも考えられます。そこで、家具の配置を工夫し、伝って移動できるように工夫してみましょう。
生活動線を考慮し、手すりの代わりになる家具を配置することで、安全な移動をサポートできます。ただし、不安定な家具や、角が尖った家具は避けるようにしましょう。どうしても家具での代用が難しい場合は、福祉用具の利用も検討しましょう。
2.無理せず、専門家への相談も検討を
全てを自宅にあるもので代用することは難しいかもしれませんが、少しの工夫で身近なものが役立つこともあります。ただし、安全性には十分に配慮し、無理のない範囲で代用するようにしましょう。
もし、代用が難しい場合や、安全面に不安がある場合は、福祉用具の専門家や地域包括支援センターなどに相談してみましょう。介護保険を利用して、福祉用具のレンタルや購入ができる場合もあります。
【注意点】
紹介した代用品はあくまで一例です。利用者の状態や環境に合わせて、適切なものを選択してください。
代用品を使用する際は、安全性を十分に確認し、自己責任で行ってください。
不安がある場合は、必ず医師や看護師に相談してください。