2023/01/12
これから日本は多死社会を迎えると言われています。
地域によっては超高齢化社会がすでに到来している地域もあるでしょう。
そのような中、緩和ケアと聞いてどのようなことを思いつくでしょうか。
今回は実は勘違いの認識が多い、緩和ケアについて見ていきましょう。
これまでのイメージを物色できればと思います。
日本の緩和ケア
緩和ケアと聞くと「もう最後なのか」「何もできることがないから緩和ケアに以降するんだ」と連想する方が多いのではないでしょうか。
日本の緩和ケアの対象者は末期がんの疼痛緩和などが主で、そのまま亡くなられる方も多くいます。
ところが実のところ、緩和ケアの対象はがん末期の方だけではありません。
緩和ケアが最後の手段と考える人が増えたのは、1989年に日本における緩和ケアの定義が
「治癒を目指した治療が有効ではなくなった患者に対する積極的な全人的ケアである」
というものから、何も治療できなくなり、最後まで期間に行うケアと認識づけられたからだと考えられます。
その後、終末期の方にのみ当てはまるものではないと、定義の見直しがされています。
実は緩和ケアと看取りは違う!
緩和ケアと看取り介護を混同させる方が多いですが、意味合いが変わってきます。
緩和ケアは全人的(身体的、精神的、社会的、スピリチュアル)な苦痛に対してアプローチするケアです。
看取り介護とは、住み慣れた場所で穏やかに最後を迎えることができるようにケアをすることになります。
苦痛の緩和は看取り介護でもおこないますが、緩和ケアは徐々に始まっていきます。
緩和ケアは在宅でもできる!
緩和ケア病棟などが併設されている病院もありますが、緩和ケアは自宅(在宅)でも可能です。
訪問診療や訪問リハビリテーションなどを利用し、点滴や内服薬の調整で身体の苦痛を取ることも可能です。
訪問看護などで精神的な苦痛を緩和することも可能です。
またご家族や友人、ペットなどが関わることで精神的な苦痛や社会的な苦痛を和らげることができます。
積極的に緩和ケアを!
緩和ケアと聞いたら最後に向かっていく一方だと思ってネガティブな考えになる方も多くいらっしゃいます。
しかし緩和ケアは多方面から疼痛や苦痛を軽減することが目的です。
心不全やCOPDなどは状態が落ち着いたら、緩和ケア病棟などから退院するケースもあります。
苦痛を我慢していると身体良くない反応や内容の影響が出るため、点滴などを利用して苦痛を取り除く処置を行います。