2022/03/10
今の時代、自宅での最期を希望する方が増えています。
在宅で看取る場合は在宅医が主治医でいてくれればいいですが、在宅医ではない場合はどうなるのかご存知でしょうか?
今回は主治医が在宅医の場合とそうでない場合の対応方法の違いについて解説していきます。
■在宅で看取るとは?
「看取る」とは、最期まで本人の意思を尊重し望まない医療をせずに尊厳のある最後を迎えることを言います。
現在、国の方針で病院の在院日数が短縮されてきており、入院期間が短くなってきました。
病院で必要な処置が終われば退院となって、あとは通院で経過を見るということも珍しくありません。
自宅で最後を迎えたいと希望する方の多くが、苦痛を伴う治療を行わず寿命に任せて最期まで過ごしたいと思っています。
しかし何もしないということではないので、在宅医やこれまで通っていたかかりつけ医が主治医となって、訪問看護や訪問介護を利用しながら生活します。
では在宅医とクリニックなどのかかりつけ医では何が違うのか見ていきましょう。
■主治医が在宅医の場合
在宅医とは、病院やクリニックではなく往診を専門にしている医師が、自宅へ訪問して診療を行います。
往診医は自宅へ訪問して健康状態の観察をし、薬の処方や日常生活の指導をしたりしてくれますので、通院できない患者さんには強い味方でしょう。
しかしまだ日本では往診医の数が他先進国に比べて少ないのが現状です。
在宅医が主治医であれば自宅で看取る際、24時間連絡を受け付けてもらえ、息を引き取った後に自宅で死亡確認をして、診断書を書いてもらうことが可能です。
死亡確認後には葬儀を行う会社に連絡をして診断書が発行されると、ご遺体を葬儀場や火葬場に連れて行ってもらうことになります。
■主治医が在宅医ではない場合
主治医がかかりつけのクリニックや大きな病院の医師であることも十分あり得ます。
信頼している医師に最後まで診てもらいたいと思う方も多いのではないでしょうか。
しかしクリニックの医師や大きな病院の医師は、息を引き取った後に自宅へ往診してくれないことがあります。
そのため自宅で看取りを希望する場合には事前にきちんと主治医と話し合っておくことをおすすめします。
もしかしたら、診察時間終了後であれば自宅まで来てくれたり、死亡確認と診断書の作成を自宅で行ってくれるかもしれません。
そこは主治医との相談になりますので、看取りをすると決めた時にはしっかり話し合っておきましょう。
もちろん途中で意見が変わってくるのは当たり前なのでその際にも医師へ一言お知らせするとよいでしょう。
主治医が自宅まで来ることができず死亡診断ができないとなった場合には、容態が悪化したときに救急搬送してもらうか、死亡後にかかりつけ医に連絡して検察の検視を行ってもらう必要があります。
検視は死亡したことが事件性があるかどうかを検察が自宅へ確認して、監察医が死亡診断を行います。
事件性があると判断された場合には死体解剖などが行われる場合があるので、亡くなられた後は触らずにそのままの状態を保っておきましょう。
主治医が在宅医かそうでないかで、在宅での残りの生活が変わってきます。
自宅での看取りを希望されるのであれば、今の主治医としっかりと話し合っておくことがとても重要になります。
本人の最後が良いものとなるように、準備をしっかりしておきましょう。