2024/09/05
訪問看護は自宅に伺って、療養中の利用者さんへ支援を行います。
しかし療養している利用者さんのみへの支援で十分でしょうか?
今回は忘れられがちな家族支援について見ていきましょう。
■家族支援って?
そもそも家族支援は、一緒に過ごす方の身体的負担の軽減や精神的支援を行うことです。
直接的に介助をするというよりは、情報を提供したり介護技術や吸引、経管栄養だったりの情報提供を行います。
また利用者さんやその家族が孤立してしまわないようにすることも家族支援と言えるでしょう。
■家族支援は重要な支援の1つ
病院での家族支援は、家族へ話しかけ不安を傾聴する、病状について不明点を聞くなどの支援が多いのではないでしょうか。
訪問看護での家族支援も同様に、話を傾聴したり現在の病状について話をしたりすることもあります。
しかし病院と違うのは、「家族が介護する時間が長い」ことです。
病院であれば主には看護師や介護職員などがケアを行いますが、自宅では付きっ切りで訪問することは極めて難しいです。
そのため家族は可能な限り介護サービスを利用した後、兄弟親戚の力を使って介護をするしかないのです。
■もしも家族を支援しなかったら?
前項でも記した通り、家族の介護力で療養生活が送れるかどうかが決まってきます。
自宅での生活を継続したいのであれば、家族の介護力を高めることが必要です。
しかし家族ばかりが介護の負担を担っていると、身体的にも精神的にも大きな負担になり在宅生活が続けられなくなってしまいます。
また家族が介護をするということは、離職しなくてはならない可能性も考えられます。
離職すると収入も減少してしまい、経済的な負担までも大きくなってしまうことが懸念されるので、家族への支援はとても大切な支援だということです。
■家族が抱える悩みについて
家族によって悩みは違いますが、介護疲れや金銭の問題、病状についての不安、介護技術についてなどが多く上がります。
負担に思うことや今後の生活につながる不安はすぐに取り除き、家族が強めなければならない介護力はしっかりと説明しながら習得してもらう必要があります。
そのままにしておくとネグレクトなどの虐待に発展するケースもあるので、注意が必要です。
また退院してすぐや末期がんなどで病状が一気に悪くなるケースはしっかりと家族と話す時間を確保しましょう。
家族の生活リズムが変わってしまう可能性が高く、混乱してしまうことも多いためです。
話を聞いて頼れる環境を作っておくことが、今後の信頼関係にも繋がってきます。
家族はチームの一員でありながらも、看護の対象でもあります。
利用者さんだけではなく、家族もしっかりと看て、いち早くSOSに気が付けるように支援をしていくことが大切です。