2023/03/17
日頃から毎日歯磨きをする習慣は小さな頃から定着していると思われます。
朝、昼、夜と習慣づけられることが多いですが、人によってもばらつきがあるでしょう。
ではいつ歯磨きをするのが適切なのでしょうか。
今回は看護を行う上で、歯磨き(口腔ケア)を行うタイミングや必要性を見ていきます。
■歯磨きはいつするのが適切?
歯磨きは看護や介護の現場では口腔ケアと言われます。
口腔(口の中)を手入れするため、歯だけではなく頬の粘膜や舌も手入れしていきます。
口腔ケアの適切なタイミングとしては、食前と食後と言われています。
念入りに口腔ケアが必要な方であれば、食前食後に加えて入眠前にも行うことがあります。
食後に行う理由としては、食べ物の残り(残渣)や歯についた汚れを落とすために行います。
食前に行う理由としては、口腔内の菌を肺に入れないためです。
口腔内にたくさんの菌が存在しています。
もしも食事をするときに誤って気管に入り込んでしまった(誤嚥した)場合、食べ物や唾液と一緒に菌が肺に入ってしまいます。
これが誤嚥性肺炎の原因となってしまうため、予防として口腔内の菌を口腔ケアで少なくしておこうという考えです。
■ご飯を食べない方でも歯磨きが必要な理由は?
では体の機能が低下してきて、ご飯を食べない方の口腔ケアは必要ないでしょうか。
結論としては、今まで以上に口腔ケアを行うべきです。
ご飯を食べなくなったり、言葉をしゃべれなくなると唾液の分泌が少なくなります。
唾液は自浄作用といって口の中を奇麗に保つ役割があります。
朝起きて口の中が気持ち悪いと感じたことはないでしょうか。
常にその状態になっているため、口腔ケアをすることにより、口臭を防ぎ奇麗な状態に保つことができます。
体の機能が低下しているということは、誤嚥するリスクも高まっているということです。
上記でも解説した通り、誤嚥すると口腔内の菌が原因となり誤嚥性肺炎になるリスクがあります。
ご飯を食べないからといって口腔ケアをしなくていいわけではありませんので、しっかりと行いましょう。
■歯磨きはいろんな病気を予防できる!
歯磨き(口腔ケア)は誤嚥性肺炎の予防になると解説してきましたが、他にもさまざまな病気の予防になります。
口腔内には菌がたくさん潜んでいます。
歯周病になると痛みでご飯が食べられなくなったり歯が抜けやすくなったりと生活に支障がでます。
口の機能が低下することで唾液の分泌が減り、消化や吸収しにくくなることで全身状態も低下してきます。
口腔内に傷ができるとそこから菌が体内に入り込んで敗血症になることもあります。
口の機能はさまざまな影響をもたらします。
しっかり口腔ケアをして健康な体を維持していきましょう。