2024/12/15

人生の終末期、病状の進行に伴い、住み慣れた自宅で最期を迎えたいと願う方は少なくありません。 この記事では、自宅での看取りにおいて現れる可能性のある症状と、その際の対応について解説します。 どのような症状が現れるのかを知っておくことは、ご本人だけでなく、ご家族にとっても心の準備につながります。
◆終末期に現れる可能性のある症状
症状の現れ方には個人差があり、すべての方に同じ症状が現れるわけではありません。
1. 痛み
がんの末期には、痛みが強く現れることがあります。 老衰の場合でも、持病の悪化に伴い痛みが生じる可能性があります。 痛みを我慢せず、医師に相談し、鎮痛剤などによる緩和ケアを受けましょう。
2. 倦怠感
全身のだるさが強く、休息してもなかなか改善しないことがあります。 ご本人も表現が難しい場合があるため、注意深く観察することが大切です。 コルチコステロイドなどの薬で症状が緩和される可能性があるので、医師に相談してみましょう。
3. 食欲低下
終末期には、体が自然とカロリーを必要としなくなり、食欲が低下することがあります。 無理に食べさせることはせず、ご本人の意思を尊重しましょう。
食べたいときに
食べられるものを
食べられるだけ
上記を基本とし、食べやすいように調理方法を工夫するのも良いでしょう。
4. 傾眠傾向
活動量の低下に伴い、眠っている時間やウトウトしている時間が増えます。 意識がはっきりしているうちに、伝えたいことなどを話し合っておくと良いでしょう。
5. 尿量の低下・便の変化
水分や食事の摂取量が減ると、尿量が減少します。 また、筋力の低下などにより、便失禁が見られることがあります。 おむつ交換や清拭を行い、皮膚を清潔に保つことが大切です。 必要に応じて、肛門周囲をワセリンなどで保護しましょう。
6. 呼吸状態の変化
呼吸のリズムが不規則になったり、呼吸が浅くなったり深くなったりすることがあります。 下顎呼吸(下顎が上下するような呼吸)が見られることもあります。 呼吸の変化は、終末期が近い兆候の一つです。
◆終末期のケアで大切なこと
終末期は、症状の変化に応じて適切なケアを行うことが重要です。 医療従事者が常にそばにいるとは限らないため、訪問看護や訪問診療などを活用し、連携を取りながら対応しましょう。
苦痛の緩和を最優先に考え、気になる症状があれば、早めに医師や看護師に相談しましょう。電話相談などを活用し、必要に応じて薬の処方や医師の臨時往診、訪問看護の手配などを受けることができます。