2022/06/30
近年、在宅での療養が国をあげて進めれてきています。
そんな中でよく目にするようになってきた「在宅酸素療法」について今回は紹介したいと思います。
■在宅酸素療法って?
そもそも在宅酸素療法ってどんな治療なのでしょうか。
在宅酸素療法は自宅で酸素療法を行うことをいいます。
病院では中央配管といって、酸素が通っている配管から酸素の供給を得ますが、自宅では中央配管を通すことはできません。
そのため、酸素高濃度圧縮機や酸素ボンベを使用して酸素を利用して行っています。
空気中の酸素を数よりも高濃度のため、少し吸うだけで体内に大量の酸素を取り込むことができます。
■どんな人が在宅酸素療法をするの?
酸素を必要とする方に行われる治療です。
主に心不全やCOPD、睡眠時無呼吸症候群などが対象になってきます。
全ての人が使用するわけではなく、医師が必要と判断した場合に使用することになります。
酸素療法なので、医師が処方を決定し、酸素供給機の導入に繋がげていきます。
■在宅酸素療法のメリット
在宅酸素療法をすることで得られるメリットはたくさんあります。
・入院せずに治療を受けられる
酸素を使用することで、これまでは入院が必要でした。
しかし在宅酸素療法ができるようになってきたことで、入院することなく治療することができるため、QOLを維持することができます。
・外出や入浴もすることもできる
在宅酸素療法を受ける方の中には24時間使用している方もいます。
しかし入浴時にはカニューレ(酸素を吸うための管)を伸ばしたり、外出時には酸素ボンベにして持ち歩くなど自由に動くことは可能です。
・心不全を予防できる
酸素吸入を行うことで心臓が無理をしなくなります。
その結果、心臓の負担が減り心不全の進行を防ぐことができます。
在宅酸素療法で気を付けること
メリットがある反面、日常生活で気をつけなければいけないこともあります。
・火気厳禁
酸素は引火性の性質を持っています。
酸素ボンベや酸素供給機からは高濃度の酸素が出てますので、近くで火気を使用すると引火してしまいます。
認知症がある方や調理を自身でされる方、家族で煙草を吸われる方がいる方は要注意です。
・酸素ボンベの残量確認
酸素供給機であれば、コンセントに繋げば空気中の酸素を取り込んで圧縮することで高濃度の酸素を供給することができます。
しかし酸素ボンベは高濃度酸素を充填して提供されますので、残量確認が必要です。
外出時に残量の少ないボンベを持ち出さないよう、使用済みのものは別場所に保管したり外出前には残量を確認する習慣をつけるようにしましょう。
命の危険を感じる呼吸困難を改善できる在宅酸素療法です。
メリットが多く、在宅での生活では欠かせない物になりますがしっかりとした管理も必要になってきます。
医師の指示に従い、きちんと使用できるように家族も使用方法を確認しておきましょう。