2024/08/08
自宅での療養を希望される方の介護を24時間、家族が行うのは困難です。
そのため家族の手が行き届かないところにはヘルパーなどの介護サービスを利用する方も多いでしょう。
しかしサービスを増やせば増やすほど、介護費用は膨らんでいき自己負担額が高額になる可能性があります。
そのときに家計の負担が大きくなりすぎないように、「高額介護サービス費」という制度があります。
今回は高額介護サービス費についてみていきましょう。
■高額介護サービス費って?
高額介護サービス費は国の施策に則り、各市町村などの自治体が実施するようになっています。
介護サービス費の自己負担額(1〜3割)の1カ月の合計が一定以上になると払い戻される制度です。
以前、高額療養費制度を紹介しましたが、その介護費用版のようなイメージです。
■高額介護サービス費の対象
ヘルパーやデイサービスなどで自己負担上限額を超えた場合は、高額介護サービス費の対象となります。
自己負担の上限額は世帯の収入または個人の収入により決められています。
月額の自己負担額は下記の通りです。
(公益財団法人生命保険文化センターHP「リスクに備えるための生活設計」より引用)
■要注意!高額介護サービス費の対象とならないもの
高額介護サービス費の対象とならないものもあるため、注意が必要です。
対象となると思って購入やサービスを利用していると、思いもよらない金額を支払うことになってしまいます。
下記のものは注意をしましょう。
- ・福祉用具購入のための費用
- ・住宅改修の自己負担額分の費用
- ・介護保険の給付対象外サービスの費用
- ・支給限度額を超えた分の費用
- ・介護施設などの食費や居住費、日用生活に必要なものなどの費用
これらの費用は高額介護サービス費の支給対象ではないため、確認してから購入や利用を行いましょう。
■高額介護サービス費の支給を受けるための手続きは?
介護サービスを利用して高額になってしまった場合、申請を行うことで高額介護サービス費の支給を受けることが可能です。
介護サービスの限度額を超過した場合には、自治体より高額介護サービス費の申請書類が郵送されてきます。
その中に入っている案内に従って、必要書類を記載し、所定の窓口まで郵送または持参して提出します。
受理され支給決定通知書が送付されると、通知書に記載してある金額が指定銀行口座へ振り込まれます。
2回目からは自動で振り込まれるため、一度申請すれば手間はかかりません。
申請可能な期限は2年以内のため、忘れないうちに手続きを済ませてしまいましょう。