2024/02/27
在宅医療が進められる中で、日本にはさまざまなサービスがあります。
訪問看護や訪問診療のように、聞いただけでは何が違うのかよくわからない方も多いでしょう。
今回は訪問看護と訪問診療の違いについて、解説していきます。
■訪問看護は看護師が自宅へ訪問する
そもそも訪問看護は何なのかというと、「看護師」が自宅に訪問し、看護を提供します。
入浴介助や食事介助、排泄介助といった日常生活の支援から、医師からの指示により、医療的な処置も行います。
仕事内容としては、病棟の看護師と変わりはありません。
しかし病棟と違うのは物品がないことと、基本的には一人で訪問するため相談する人が近くにいないということです。
最近ではITの進歩で、電子カルテなどが普及し、いつでも相談できる環境が整備されるステーションも多くなりました。
■訪問診療は医師が自宅へ訪問する
では訪問診療は何なのかというと、「医師」が定期的に自宅に出向き、診察を行うことを指します。
昔は「往診」と言っていましたが、制度上の名前では訪問診療となっています。
現在、状態が悪くなるなどで予定外の訪問診療を行ったときに往診というと言います。
訪問診療では外来と同じように、医師が直接患者さんの状態を把握します。
その後内服薬の処方なども行われます。
しかし、レントゲンや心電図などの医療機器が必要な検査は自宅では行うことが難しい場合が多いですが、そういった医療機器を備えているところ、輸血などにも対応してくれるところなどもあります。
■結論、全く別のサービス
前項で説明した通り、訪問看護と訪問診療は全くの別サービスとなっています。
看護師の役割は生活の援助ですが、医師の役割は疾病の早期発見と治療です。
そのため訪問看護と訪問診療は目的が全く違うのです。
全く違うサービスだからといって、両方とも利用する必要があるのかというと、それは違います。
基本的に訪問診療は外来受診が難しい方が対象です。
訪問看護も日常生活で医療的なケアや視点が必要な方が利用します。
在宅生活を支えている点では同じサービスです。
■実はつながっています!
そして実は訪問診療と訪問看護は事業所ごとにつながっている場合も大いにあります。
在宅療養はチームで稼動しています。
そのため、普段の様子を訪問看護師から訪問診療の担当医へ情報提供をしていたり、訪問診療の医師から訪問看護師に医療的な指示を出していたりします。
いろんな職種が交わって、1人の在宅療養生活を支援しているのが日本の在宅医療です。