2020/09/17
ひとは1日に1.5L程度の尿を排泄しています。1回の尿の量はおおよそ200ml程度、飲む水分の量が多くなればその分尿もふえ、トイレの回数も増えます。
■腎臓の働き
腎臓の働きは大きく3つです
・老廃物を尿としてだす
・血圧のコントロールをする
・血液をつくるホルモンをだす
そのため、腎臓が働かなくなると体の老廃物を出すことができなくなるため尿毒症という状態になります。体がだるくなったり、気持ち悪い、頭が痛くなる状態です。
また、塩分やカリウムなど電解質の調整も行っています。塩分や水分の調整をすることや血圧の調整に働くレニンというホルモンをだすことで血圧のコントロールに関わっているのです。
そのほかにも、腎臓で作られるエリスロポエチンというホルモンは血液をつくる重要な働きをしています。適切にエリスロポエチンを作ることで血液の中の赤血球を作っています。
腎臓は様々な働きをしていることから、腎臓がうまく機能しなくなると尿毒症、血圧のコントロールがうまくいかなくなる、貧血になるといった全身の不具合がでてきてしまいます。
■尿はなにからできている?
腎臓は尿をつくることがとても大切な働きのひとつですが、尿はどうやって作られるのでしょうか。
尿はもともと血液からできています。腎臓のなかの糸球体という部分で血液から老廃物(体にとって余分なもの)、余分な水分を濾して尿がつくられていきます。
腎臓でつくられた尿は尿管を通して膀胱にためられ、尿道を通って尿として排泄されるのです。この、腎臓~尿道をまとめて泌尿器とよんでいます。
■尿検査でなにがわかる?
泌尿器に病気が隠れていないかをみることができるのが尿検査です。採血の検査で腎臓の機能をみることができますが、泌尿器全体の病気があるかどうかはわかりません。
一般的な尿検査でみている項目は
・尿たんぱく
・尿潜血
・尿糖
そのほかに尿の中に通常混じらないものが入っていないかをみています。
尿糖がでている場合には糖尿病の可能性を強く疑いますが、尿蛋白、尿潜血といった項目で異常があった場合には泌尿器のどこかに病気がある可能性を考えなくてはいけません。
もちろん、病気がなく、生理的なもの、その人の体質ということも多くあります。しかし、中には重篤なものが隠れていることがあるので注意がひつようです。
通常は尿に蛋白がまじることはありませんが、腎臓に病気があると尿にたんぱくが混じることがあります。おもな腎臓の病気としては、慢性糸球体腎炎、腎硬化症、ネフローゼ症候群などです。
腎臓に病気がなくても蛋白が混じる場合も少なくなく、強いストレスがかかっているときやタンパク質を多くたべたときや運動をしたときにみられることもあります。
血液も通常は尿にはまじりません。見た目に血のような色をしていなくても、少しでも血が混じっている場合には尿潜血が陽性となります。
腎臓に病気がある場合だけでなく、尿管結石などの尿管、膀胱がんや炎症、男性では前立腺に病気がある場合など泌尿器全体でどこかに異常がある可能性が考えられます。
■まとめ
腎臓~尿道まで尿の通り道を泌尿器といい、尿は血液からつくられます。尿をみることで泌尿器の病気の可能性がわかります。泌尿器の病気にかぎらず、ひとのからだはよくできているもので、病気が進行しないと症状がでてきません。検査が異常となった場合には症状がなくても詳しく調べることをおすすめします。