腎臓が働かなくても透析が命を救う!~慢性腎臓病とは~

2020/10/15

腎臓が働かなくても透析が命を救う!~慢性腎臓病とは~

腎臓の機能が低下していることを慢性腎臓病(CKD : Chronic Kidney Disease)とよびます。

 

■慢性腎臓病とは

ヒトは加齢により様々な臓器の機能が衰えていきますが、腎臓も例外ではありません。年を重ねるごとに採血検査でCr(クレアチニン)、BUN(尿素窒素)の値が高くなることもあるでしょう。

 

腎臓機能が衰えるとCrやBUNの数値が高くなっていき、さらに、年齢や性別を考慮すると腎臓の実際の濾過機能の程度を推定することができます。推定した腎臓の濾過機能をもとに重症度を決めていくのです。

 

重症度はステージ1~5の5段階でわけますが、ステージ3からを慢性腎臓病といい、健常者にくらべ腎臓の機能は半分程度です。徐々に進行し、ステージ5になると腎臓はほぼ機能していない状態といえます。

 

 

■慢性腎臓病の原因

腎臓の機能が低下するのにもいろいろな原因があります。誰しも年齢とともに動脈硬化を来しますが、腎臓は血管が豊富な臓器であるため、動脈硬化が強いヒトは腎臓が硬くなり、腎臓機能は悪くなります。腎硬化症とよぶこともありますが、ごく軽度のまま経過していく場合には加齢とくくられてしまうかもしれません。

 

また、慢性腎炎といって、長い間腎臓に炎症を患うことで腎機能が悪くなります。以前はこの慢性腎炎は透析導入になる原因の一位でした。健診の尿検査で尿潜血をいわれたのを機にみつかることがあります。

 

近年多いのが糖尿病です。糖尿病の3大合併症の一つが糖尿病性腎症とよばれ長い間糖尿病をわずらっていると腎臓が傷つき、尿に微量のアルブミンが混じるようになります。さらに進行すると尿タンパクがでるようになってしまいます。

 

■慢性腎臓病で気をつけたい生活習慣

血圧が高いのであれば血圧のコントロール、糖尿病がある場合には血糖コントロールなど慢性腎臓病の原因となる病気がある場合にはそちらの治療、コントロールを続けていきます。

そのほかに、食事においては水分を一日1.5L 以上とること、塩分のとりすぎに注意すること、適度な運動をすること、喫煙者の方では禁煙をすることは基本です。また、いよいよ腎機能が低下した場合には食事のタンパク質の量を制限していきます。

 

■透析になるとき

腎臓は機能が低下しても症状があらわれることなく無症状で経過していきます。ステージ5で老廃物が体から排泄することができなくなると前進に症状があらわれますがそれまでは症状で気づくことはできません。

 

透析間際の慢性腎臓病では尿毒症といって尿から排泄することができない老廃物が体にたまってしまうことで倦怠感や頭痛、節々の痛みなどの全身症状がでてしまいます。また、電解質のバランスが崩れてしまうため致命的な不整脈がでてしまうこともあります。

 

無症状の状態で腎臓機能に異常がないかを調べるには定期的な尿検査や採血検査でチェックしていくことが必要です。

 

■まとめ

腎臓の病気を主に診ている診療科は腎臓内科や泌尿器科となります。健診で尿検査、腎機能障害を指摘されれば当該科を受診するようにしてください。

また、腎機能は一度悪くなると改善することはありません。腎機能にかかわらず日頃から水分をしっかりとること、そして、腎機能の低下が見られる場合には食事の内容にも気をつけていただくことで進行を抑えることが大切です。

 

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