2019/08/09
梅雨が明け、一気に暑い夏になりましたがいかがお過ごしでしょうか。
身体が暑さに慣れていないこの時期熱中症にもなりやすので注意が必要です。こまめな水分補給をといわれますが、どんな飲み物で「水分補給」をしていますか?
意識してスポーツドリンクや経口補水液を飲んでいる人も多いと思います。飲むとき、飲む場所を間違えると重大な病気につながることもあるのでぜひいまどのように水分をとっているか見直してみてください。
スポーツドリンクなどの清涼飲料水には大さじ3杯以上の砂糖が含まれています。WHOで推奨されている砂糖の摂取基準は約25g程度ですが、スポーツドリンクをペットボトル一本飲んだだけで超えてしまう量です。糖分の高い飲み物を体に流し込むと急激に血糖値が高い状態になります。糖尿病の方などは一気に血糖があがることで糖尿病性ケトアシドーシスといって嘔気や疲れやすい、腹痛などの体調不良や意識が悪くなってしまうこともあります。
また、経口補水液やスポーツドリンクには塩分もそれなりに含まれています。人間の体液は0.9%食塩水とほぼ等張といわれます。実際に0.9%の塩分が含まれた飲みものはとてもしょっぱくて飲めませんが身体に水分を補給しやすくするためにスポーツドリンクでは0.1-0.2%の食塩水が含まれているのは一般的です。
高血圧治療、予防に準じた塩分摂取の基準は一日6gですが日本人の平均塩分摂取量は11g程度で摂取基準にはほど遠い値です。スポーツドリンクペットボトル2本で1g分摂取してしまうことになるのであっという間に塩分のとりすぎになってしまいます。塩分をとりすぎると血圧が一気にたかくなってしまったり、心臓に病気がある方は心不全をひきおこすきっかけになってしまうことも十分に考えられます。
一日に摂取する水分の量は1.5L程度以上が推奨されます。一気に摂ると身体が上手に吸収できずに尿として排泄されてしまうので一回にコップ一杯程度などこまめにとることが大切です。屋外で汗を大量にかくような運動や作業をした場合にはさらに汗をかいた量の水分をとらなくてはなりません。また、汗をかいたときに水分を吸収しやすくなるよう塩分の含まれた飲料水を適宜飲むことは有効です。しかし、空調の効いた屋内ですごす時間が多いひとにとっては水分摂取は経口補水液やスポーツドリンクは好ましくありません。普段は水やお茶といった塩分や糖分を含まない飲料でこまめに水分補給をすることを心がけてください。