2021/01/07
冬になるとなんとなく全身がかゆい、という症状で困っている方もいるのではないでしょうか。
みために発疹などないにもかかわらずかゆい状態を皮膚掻痒症といいます。一時的にかゆいこともあれば、いつでも何をしていてもかゆい、かゆくて夜眠れない、という方もいるかもしれません。
皮膚掻痒症の一番の原因は乾燥です。特に、高齢者では皮膚の保湿機能が衰えてくることによって年々皮膚が乾燥しやすくなっており、冬になると全身かゆいということも少なくありません。アトピー性皮膚炎も皮膚バリアが壊れており水分が逃げていってしまうため乾燥しやすく、かゆみがでやすい状態です。
そのほかの原因としては、薬の副作用、それから病気からくるもの、です。
皮膚のかゆみを来しやすい薬剤としてはホルモン剤やフロセミドなどの利尿剤、消炎鎮痛剤などがあげられます。また、病気が原因の場合には、腎不全や糖尿病、肝硬変などの肝臓の病気や悪性腫瘍をはじめとしてさまざまな病気では皮膚の痒みがでやすいといわれています。
皮膚の乾燥により皮膚掻痒症になっている場合には、保湿をすることで症状が改善されるのが特徴であり、効果がない場合には乾燥以外に原因があると考えたほうがいいでしょう。
薬だけでなく食べ物でもかゆみがでることがあります。新たに始めた薬を飲み始めたあとにかゆみがでた場合にはかかりつけの先生に相談することが必要ですし、定期的にのんでいるサプリメントや健康食品なども見直してみてください。
もともと保湿剤をつかう習慣がないかたもいるかもしれませんが、一度かゆくなって掻いてしまうとそこから細菌感染を起こしてしまうなど別の病気になりかねません。
日頃の保湿(入浴後5分以内)を行い、皮膚が乾燥するのを防ぐようにしてください。
保湿をしても皮膚がかゆいのがなおらない、という場合には重篤な病気がかくれている可能性を考え、皮膚科に相談することをおすすめします。