2020/07/09
診察で、毎回のように「便が出てもまだ出るような気がする」と訴える方がいました。もともと痔がある方で、痔による残便感が考えられます。
生活のなかで気をつけることを改めてお伝えすることにしました。
■「いぼ痔」とは
痔は日本人の3人に1人は悩んだことがあるといわれる身近な病気ですが、痔にも3種類(痔核/いぼ痔、裂肛/切れ痔、痔瘻)があり、一番多いのが「痔核(いぼ痔)」です。
文字通り、肛門にいぼができるのですが、直腸側にいぼができるものを内痔核、肛門の外側にできるものを外痔核といいます。
痛みがないのに排便時に血がでる、という場合は内痔核です。残便感、排便時に血が出るといった症状があり薬で炎症を抑える治療をします。ひどくなると肛門から出てきた痔核がもとに戻らなくなり、手術の適応となります。
外痔核の場合には強い痛みを伴います。肛門の外側に痔核ができ痛みで座るのがつらいほどです。このときには、薬を使い、炎症を抑えることで治療します。
■痔で気をつける生活習慣
薬だけでなく生活の中で気をつけるべきこともあります。
①便秘に気をつけること
便秘になると、いきむことが増え肛門に負担をかけてしまいます。便秘になりにくい食生活、運動習慣をつけることが大切です
②トイレでいきむのは長くて3分
便が直腸まできたときに便意を感じます。そのため、トイレにいって排便したときには最初・の1,2分でほぼ便が出てしまいます。それ以上にいきむと肛門に負担がかかってしまうのでトイレに長居する習慣があるかたは気をつけてください。
③ウォシュレットを適切につかう
温水で1回に30秒程度、水圧は低めに設定することが大切です。痔の予防、改善にもなるウォシュレット、間違った使い方をすると痔が悪化してしまうので適切な使い方をしてください。
痔は炎症が治まることで治り、軽ければ市販の薬で治すこともできます。しかし、重症になれば手術になってしまうことも。日頃の生活習慣は痔の改善でなく予防にもつながります。