女性化乳房

2021/05/13

女性化乳房

男性の方でも乳房が大きくなることがあり、これを「女性化乳房」といいます。高齢の方では1万に3人くらいの頻度でみられ、生活に支障がでることも。

■女性化乳房とは

乳房のしこり、乳房が大きくなった、乳頭の痛みといった症状を外来で訴えるかたがいいます。これは女性化乳房といい、良性のものです。しかし、審美的な問題や服に擦れるだけで痛みがでると日常生活に支障がでてしまいます。

■女性化乳房の原因

ホルモンバランスの乱れにより生理的な女性化乳房を来すことがあり、これは幼少、成長期にみられます。高齢でみられる女性化乳房の原因で一番多いのは薬の副作用によるものです。

その他、性腺機能低下、精巣腫瘍や甲状腺機能低下といったホルモン異常をきたす疾患や慢性腎臓病や肝硬変といった病気を基礎疾患とした症状のひとつとして女性化乳房があります。

基本的に女性化乳房は良性のものですが、乳癌といった悪性腫瘍が隠れていることがあります。頻度としてはかなり少ないですが可能性として忘れてはいけないものです。

■女性化乳房の原因となる薬剤

内服薬を変更したあとに女性化乳房をきたすことがあります。薬を変えたとに乳房のしこみがみられたときには副作用の可能性を考え外来で相談することをお勧めします。

・心血管系薬:スピロノラクトン(商品名 アルダクトン)、アミオダロン(アンカロン)

・抗アルドステロン薬:フィナステリド(プロペシア)、ビカルタミド(カソデックス)

・抗菌薬

・胃薬

・抗がん剤

・抗精神病薬

■女性化乳房の検査

問診、触診が診断のためにはとても重要です。エコー検査やマンモグラフィといった画像検査を合わせて行うことで診断にいたります。基礎疾患の可能性を考える場合には採血検査も必要となります。

■女性化乳房の治療

ホルモンバランスの乱れによる生理的な女性化乳房の場合には自然経過で1年程度でよくなります。

薬の副作用の場合は薬をやめることで症状は改善します。頻度はすくないものの基礎疾患があり、症状として女性化乳房がでている場合には基礎疾患の治療が大切です。

女性化乳房が薬による副作用と気付かず、症状を我慢しているケースがみられます。症状に心当たりがある場合にはかかりつけ医、医療機関い相談することをお勧めします。

 

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