2020/08/13
悶絶するようなおなかの痛みが突然出現し、救急車を呼ぶこともある尿路結石。
男性の7人に1人、女性の15人に1人は一生にいちどは尿路結石になると言われます。
■尿路結石とは
尿は腎臓から尿管、膀胱を通って尿道を通じて排泄されます。尿路結石は腎臓から尿道までの尿路に石(結石)ができることをいいます。尿の中の物質がタンパク質と一緒になり結晶化してしまうのです。結石が腎臓にあるときにはあまり痛みは感じませんが、尿路に流れ出ると尿路が詰って激しい痛みを生じることがあります。
詰ってしまうと細菌に感染しやすくなり、高い熱がでることもあります。また、尿路結石を繰り返し、感染を繰り返せば腎機能にも影響がでてきてしまいます。
また、血尿も尿路結石でよくみられる症状です。
■検査
尿検査をすると血尿がみられます。また、レントゲンやCTを行うことで結石の位置や大きさを確認することができます。
超音波検査で石を確認することもあります。
■尿路結石を治療する
治療としては保存療法と外科的治療の2つの方法があります。
石の大きさが10mm未満の場合には自然に出てくることを待つのです。その際には内服薬と水分摂取をしっかりおこないます。
石の大きさが10mmを越える場合には自然にでてくることは難しいため外科的な治療の適応となります。
■尿路結石の再発を防ぐ
尿路結石は再発が多いこともよく知られており、5年間で20%のひとに再発がみられます。一方で、再発予防のために食事指導、生活指導を行うことで再発を劇的にへらすことができることもわかっています。
①水分の多量摂取
食事以外にも水やお茶などで1日1.5Lから2L程度の水分をとることが大切です。そのときに、プリン体を多く含むビールや砂糖を多く含むペットボトル飲料は尿路結石の再発を促してしまうかも知れません。また、紅茶やココア、コーヒーといった飲料も飲みすぎには注意しましょう
②肥満を防止する
男性の尿路結石を起こした患者の40%に肥満があったことがわかっています。BMIが25以上のひとでは尿路結石のリスクが高いため体重コントロールも大切です。
③食生活の改善
・バランスの良い食事をとる
動物性タンパク質の摂りすぎやカロリーの高い食事、塩分を多く含む食事は尿路結石のリスクが高くなるといわれます。また、結石の原因となるシュウ酸(葉もの、チョコレート、たけのこ、紅茶など)はカルシウムと一緒にとることで吸収しにくくなり、結石がおきにくくなるといわれます。そのため、充分なカルシウムをとることは大切です。
・夕飯から就寝までの時間は4時間あける
寝ている間に結石はできやすくなるため夕飯は軽めに、就寝までに4時間程度あけることが推奨されています。
■まとめ
食生活、生活習慣を整えることが尿路結石を予防することにつながります。バランスのよい食事を1日3食、運動習慣を心がけるようにしましょう