2021/11/04
嘔気・嘔吐は子どもの症状ではよくあります。
特に胃が未熟で小さなお子さんであればミルクの吐き戻しは日常茶飯事でしょう。
しかし見逃してはいけない嘔吐もあることをご存知でしょうか?
今回は家庭で嘔吐したときや嘔気を訴えてきた時の対応を紹介していきます。
■嘔気・嘔吐って?
そもそも嘔吐・嘔気とは、
嘔吐…胃の中にあるものを吐き出すこと
嘔気(悪心)…嘔吐の前に起こるむかつきのこと
(健康長寿ネットHPより参照)
と言われています。
大人でも辛い症状ですが、子どもにとっては命取りになることもあるのです。
■嘔気・嘔吐の原因は?
嘔気・嘔吐の原因は2種類に分けることができます。
1つ目は脳に原因がある場合、2つ目は消化器官などの内臓に疾患や問題がある場合になります。
脳に原因がある場合
脳にある嘔吐中枢が刺激されて、嘔吐が起こります。
この嘔吐中枢が刺激されるのは、
・脳が圧迫されておこる場合(脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などの炎症によるもの)
・薬の影響
・内耳に刺激を強く受けた場合
・電解質の異常(脱水など)がおきている場合
などがあります。
これらはすぐに処置をしないと、脳にダメージが起こるので見過ごせない症状の一つが嘔気・嘔吐になります。
嘔気・嘔吐の他に意識障害や頭痛などがないかを確認しましょう。
消化器官などの内臓に疾患や問題がある場合
消化器官と呼ばれる、口から肛門まで繋がる器官に何かしら問題があるときに見られます。
急性胃腸炎や十二指腸潰瘍、腸閉塞などはよく聞く疾患です。
そのほかにも胆道閉鎖症などでも起こります。
また、腎臓や心臓、生殖器系の病気でも内臓の反射により嘔吐が見られることがあります。
■ここをチェック!
嘔気・嘔吐が見られたら次のことを確認してみましょう。
・おなかが張っている
・排便やガスがここ数日ない
・激しい腹痛がある
・排尿がない
・何度も下痢を繰り返す
・何度も嘔吐を繰り返す
・嘔吐物に血液や緑色の液体が混じっている
・唇が乾燥している
・頭痛を訴えて意識がボーっとしているまたは過敏に反応する
・顔色が悪い(青白い)
このような症状が一つでもあれば、休日夜間診療所などに受診しましょう。
症状が少ないうちに対処しておけば、重症化を防ぐことができます。
■家庭での対応方法
嘔吐したときや嘔気が強いときの対処方法を説明します。
・嘔気が強いときには無理せずに食べない、飲まないようにしましょう。
・嘔吐したものがのどに詰まらないように顔と身体を横向きに寝かせてそばにいましょう。
・うがいができるお子さんであれば、うがいをすることで口がすっきりして再嘔吐を防げることもあります。
・嘔吐が落ち着いて間隔があけば、幼児用のイオン飲料水などを少しずつこまめに飲ませましょう。
・ノロウイルス、ロタウイルスなど感染症の場合もあります。必ず手袋やマスクをつけて処理をしましょう。
・固形物はやめて、おかゆなど消化のよいものを食べるようにしましょう。
もしも判断に困った場合には「#8000」に電話しましょう。
厚生労働省が行っている子ども医療電話相談事業でお住まいの地域の相談窓口に自動転送されます。
小児科医や看護師に症状や対応を相談することができ、アドバイスができます。
救急車を呼ぶかどうかなど困っているときや、子育てが初めての方などはぜひ使ってみてくださいね。
厚生労働省「子ども医療電話相談事業」詳細はこちら
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html
参考資料;山口県小児科救急医療ガイドブック
(監修:山口県小児科医会 制作:山口県健康福祉部医療政策課医療対策班)