歩くと足が痛い、休むとよくなる~下肢虚血~

2021/10/11

歩くと足が痛い、休むとよくなる~下肢虚血~

「間欠性跛行」という言葉をしっていますか?足が痛い、というと整形外科的な病気を思い浮かべるかもしれませんが、原因はそれだけではありません。

足の血管が狭くなっていることで足がいたくなることがあるのです。間欠性跛行は足の血管が狭くなって血流が悪くなっているとおこる症状で、歩くと痛い、休むとよくなるといった症状がでてきます。

 

■ASO、PADで間欠性跛行がでる

閉塞性動脈硬化症(Arterio-Sclerosis Obliterans:ASO)や末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease: PAD)はいずれも足の動脈が動脈硬化により狭くなり血液が流れにくくなる病気です。

足の血流が悪くなることによってしびれや足が冷たくなる、色が蒼白や紫色になるといった変化があらわれてきます。さらに症状がすすむとでてくるのが間欠性跛行です。歩くときには足も血流、酸素が必要な状態にもかかわらず動脈が細い場合には歩き始めると足が酸欠になるためふくらはぎの痛みや足のだるさがでてきます。

 

■間欠性跛行の検査、治療

脊柱管狭窄症や糖尿病性末梢神経障害で症状がでることもあります。まずは足の動脈が触れるのかどうか、触れない場合には下肢虚血をうたがいます。

ABPIといって手足の血圧を測ることにより足動脈の狭窄があるかを確認、運動負荷試験で血流の程度をみて最終的には血管造影やMRやCTで血管像を確認することで診断を行います。

軽症であれば保存的に経過をみることになりますが、血管が狭く症状がひどいときには血管内治療、場合によっては外科的手術が必要になります。足に潰瘍ができてしまい治らない場合には下肢切断に至ることもあるのです。

 

■心疾患の合併が多い

下肢虚血は進行なく経過するひともいれば、徐々に進行していくひともいます。症状の進行とともに、血管内治療、外科的手術、下肢切断となりますが実際にそこまで至るひとは多くありません。それ以上に5年で30%近く死亡に至るという報告もあり、原因は心血管疾患が大半を占めます。下肢虚血が重症になるまえに動脈硬化により心血管疾患や脳血管疾患を患ってしまうことが多いのです。

足の症状だけでなく、狭心症や心筋梗塞など心臓血管疾患の可能性もあたまにいれ胸痛や息切れといった症状の出現にも注意するようにしましょう。

 

■生活できをつけること

下肢虚血をきたすのは動脈硬化。生活習慣が大きなカギをにぎります。糖尿病や高血圧、脂質代謝異常症といった生活習慣病は動脈硬化の原因となるため継続して治療をおこなうことが大切です。また、喫煙も動脈硬化の大きな原因の一つといえます。

足の血流が悪いことで傷が治りにくくなり、そこからの感染から下肢切断ということにもなりかねません。きつすぎる靴や靴擦れしないように足に合った靴をえらんだり、蒸れにくい靴、日頃の清潔ケアはとても大切です。

また、足の血管を発達させるためには歩くことが大切です。正座や長時間立ち続ける、長距離を歩き続けることはしないようにしてください。

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